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共通テスト目前! 25年度導入「情報I」の傾向と対策は? 試作問題を解いてみた(2/3 ページ)

2025年度の大学入学共通テストから「情報I」が導入される。いったいどのような問題が出るのか。すでに公開されている試作問題を実際に解きながら確認していく。

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大問2 2次元コードの仕組み/データ活用

 大問2は大きく2つの問題に分かれる。前半が2次元コード(QRコード)に関する問題で、後半がデータ活用の問題になっている。

 QRコードの問題は知識として知っていることを前提に作られたように見える。知らなくても回答できなくはないが、「絶対にこれが正しい」という確証を得にくいため、おそらく正答率は落ちると思われる。

 後半の問題は、文化祭におけるクレープ屋台の混雑状況を分析し、改善方法を探るというテーマ。乱数を使って来客時間をシミュレーションし、調理時間を短くすると待ち時間がどのように変化するかを確認している。

 階級値、相対度数など統計用語が出てくるが数学でも習う内容であり、特別に勉強する必要はない。図に書き込んで考える問題もあるが、統計の問題にしては計算量は多くなく、そこまで時間がかかる問題ではない。

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書き込んで考えるのが早そうだ

大問3 プログラミング 差がつくパート 時間配分がカギ

 大問3はプログラミングの問題。プログラミングとはいっても、C言語やPythonといった個別の言語の知識やスキルが必要なわけではない。要件から処理方法を導き出すプログラミング的思考があれば回答できる。数学の文章題から回答のための数式を導き出す力と似ているといえるだろう。

 試作問題では、「上手な支払い方」を求めるプログラムを作っている。コンビニなどで支払いをする場合には、できるだけおつりの枚数が少なくなるようにすることがある。ではどのように支払えばやりとりする硬貨の枚数を最小にできるかを求めるプログラムを考えるのがこの問題だ。

 金額を入力すると使用する硬貨の枚数を出力する関数「枚数(金額)」をコーディングしていく。共通テストの数学の問題と同様に誘導があるため、指示に沿って進めていけば、ゼロからコードを考える必要はない。だが、While文の構造や代入の書き方、合同式(mod)などは理解している必要がある。

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プログラムの穴を埋める問題 特定の言語の知識は不要だが、記法は理解できている必要がある

 理解していれば正解はできるが、制限時間の中でミスなく回答するのが難しい。他の大問をできるだけ短時間で処理し、ここに時間をかけられるようにしておくのが望ましい。

 難易度が高いため、この大問は受験者間で最も点差が開く部分であると考えられる。他の受験者と差がつく部分になるため、難関校を目指す場合や苦手科目でのロスを取り戻したい場合などには何としても正解したい。

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