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琉球大学、大学院の試験問題が学生から丸見えに Teamsでアクセス制限やパスワード設定せず
琉球大学が「Microsoft Teams」の設定不備により、個人情報や大学院入試資料などの一部が本来権限を持たない学生や職員でも閲覧できる状態だったと発表。一部ファイルでアクセス制限やパスワードの設定をしていなかったという。
琉球大学は1月20日、学内で利用しているクラウドサービス「Microsoft Teams」の設定不備により、個人情報や大学院入試資料などの一部が本来権限を持たない学生や職員でも閲覧できる状態だったと発表した。一部ファイルでアクセス制限やパスワードの設定をしていなかったという。
会議資料や大学院の入試資料304件を、本来権限を持たない学生・職員が閲覧できた。このうち273件には、学生436人、職員67人、その他398人の個人情報が含まれていたという。含まれていた個人情報は氏名、メールアドレス、成績情報など。最も古いファイルは2020年4月のものだった。
2022年10月6日に学生からの指摘で発覚。設定は同年10月11日に修正済みで、すでに担当者以外には閲覧できない状態という。
閲覧できた入試資料には、すでに実施した入試の問題も含まれていた。ただし資料・個人情報の不正利用や漏えいを確認していないことから「入試の公平性・公正性に鑑み、当該大学院入試について精査を行ったが、合否判定については変更しない扱いにした」(琉球大)という。
試験問題が閲覧可能だった大学院の研究科名は公表しない方針。「平穏な教育研究環境に影響が生じることを避ける」(同大)としている。今後はパスワード設定やアクセス制限などを徹底し、再発防止を目指す。
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