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AIでイラストを“トレパク”? 既存画像から再生成する「i2i」機能を巡る法解釈(1/2 ページ)

イラスト生成AIには既存画像を入力として新規画像を再生成する「i2i」機能を持つものがある。これを悪用して他人の作品にそっくりな画像を生成し公表する行為は法的にどう解釈されるのか。弁護士に見解を聞いた。

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 2022年夏から大きく注目を集めているイラスト生成AI。その機能の一つに「i2i」(image to image)という手法がある。これは参考画像を入力すると、AIが似た構図のイラストを生成する機能だ。使い方次第では便利だが、定期的に「i2i機能を使って“トレパク”をしている人がいる」としてTwitterなどで問題になっている。

 この問題について、骨董通り法律事務所(東京都港区)の代表を務める福井健策弁護士が1月25日、Twitterで「ユーザーが元絵を知っている場合は、著作権侵害が成立する可能性が高い」との見解を示した。判断のポイントは、元作品への依拠の有無だという。福井弁護士に詳細を聞いた。

イラスト生成AIユーザーも問題視する「i2i」

 i2i機能を使うと、自分で書いた落書きやラフスケッチ、資料写真などを入力してイラストを生成できる。アイデアを膨らませたり、作画作業の補助として使ったりと活用の幅もある。生成したイラストを手描きで修正し、i2iで再合成することで修正するという使い方もできる。

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AIイラスト生成サービス「Novel AI」のi2i機能を使うイメージ Webサイト上で編集できる仕組みがある

 一方、これを悪用すれば、他人が制作したイラストを無断で入力して再合成したものを自身の作品として発表することもできる。トレースをしているわけではないため“トレパク”(他人の作品をトレースにより自作品として盗むこと)に該当するとは言いにくいが、SNS上では便宜的に「AIトレパク」と呼ばれることもある。

 イラスト生成AIを使っている人の中にはこれを問題視し、他人の絵を勝手に使ってi2i合成をしない「noi2i運動」を行っている人もいる。

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