ソニー、網膜投影カメラキットを発売 ロービジョンの人でも撮影しやすく
ソニーは目のピント調節能力の影響を受けにくいレーザー網膜投影式のビューファインダーを組み合わせたデジカメのセットを販売する。一部費用をソニーが負担することで価格を10万9800円に抑えた。
ソニーは2月21日、目のピント調節能力の影響を受けにくいレーザー網膜投影式のビューファインダーを自社デジカメと組み合わせたデジカメキット「DSC-HX99 RNV kit」を数量限定で販売すると発表した。一部費用をソニーが負担することで価格を10万9800円に抑えた。
QDレーザ(神奈川県川崎市)のレーザー網膜投影技術を応用したビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」(レティッサ ネオビューワ)とサイバーショットシリーズの「DSC-HX99」と組み合わせた。
レーザー網膜投影技術は超小型プロジェクターが発するRGBレーザーの微弱な光をMEMSミラー(高速振動する微少な鏡)に反射させ、網膜に直接映像を投影する仕組み。前眼部の状態によらず映像を見られるのが特徴で、従来のビューファインダーやモニターでは映像が見えづらかった、いわゆるロービジョンの人でも写真や動画を撮影しやすくなるという。
ただし見え方には個人差があるため、商品は3月24日以降にソニーの直営店舗で実際に体験した人のみに販売する。今後は日米の盲学校や特別支援学校、ロービジョン者を支援する団体などへ寄贈することも計画している。
QDレーザの菅原充社長は「レーザー網膜投影は世界に先駆けて実用化した全く新しい技術。今回の商品によってロービジョンの方々が写真を撮る楽しみ、活動範囲を広げて新しい世界を発見することを期待しています」としている。
ロービジョンとは、何らかの原因で視覚に障がいがあり、メガネやコンタクトレンズを装着しても「見えにくい」「まぶしい」「見える範囲が狭い」など日常生活に不自由している状態のこと。世界中に2億5000万人、国内では145万人いると推定されている。
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