連載
何かと話題になるタワマン、防災は今どうなっているのか?:デジタル防災を始めよう(3/5 ページ)
現在マンションデベロッパーはタワーマンションの防災についてどう考え、行動しているのだろうか。避難訓練に密着し、被災時の食事、水道、エレベーター、トイレなど防災の実際をリポート。
非常停止をしなかった場合でも、停電などで電源供給が断たれていると非常電源(発電機など)での動作となり、燃料が切れれば動かなくなる。多くの場合、72時間(3日間)の電源供給が可能で、共用部の電灯や非常用設備などにも電源を供給する。
エレベーターが停止してしまった場合に備え、デベロッパーによっては各階ごとや5層ごと、10層ごとなど自社の基準に応じて「防災倉庫」を設置している。倉庫には各戸に必要な水や食料、非常用トイレなどを備蓄している。
例えば野村不動産では「見せる防災・しまう防災」をうたい、共用部に防災用品の一部を展示収納して、その存在を住民に周知している。あるいは災害発生時に対策本部となる共用部のソファなどに収納するケースもある。普段から防災を意識してもらうような取り組みをしているのだ。
しかし物件を引き渡した後、住民がそれをどこまで重視するかは分からない。例えば管理組合の協議により、防災倉庫を「レンタルストレージ」として住民に有償で貸し出すといったことも実際にあるという。経済性と災害への備えのバランスは「悩ましい問題」と話していた。
防災訓練は周囲と“顔見知り”になることも重要
23年2月12日、三菱地所が晴海エリアにある2つのタワーマンションで合同防災訓練を実施した。どちらも「ザ・パークハウス」の名前を冠した超高層物件で、総戸数は883戸と861戸。合わせて1700戸を超える大所帯だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

