河野大臣、ChatGPTなどのAI活用は「積極的に考えていきたい」 霞が関の働き方改革巡り答弁
河野太郎デジタル大臣が、衆議院内閣委員会の答弁で、政府におけるChatGPTなどAI活用について「積極的に考えていきたい」と考えを述べた。
河野太郎デジタル大臣・国家公務員制度担当大臣は4月7日、衆議院内閣委員会の答弁で、政府におけるChatGPTなどAI活用について「積極的に考えていきたい」と考えを述べた。
平将明衆議院議員による、AI活用に関する考えを問う質問に対し「霞が関の働き方改革を進めて、優位な人材を集めていかなくてはならない。マネジメントも大事だが、公務の効率化・デジタル化も進めなければならない。AIの導入は積極的に考えていきたい」と回答。
ただし「フィードされる(入力される)データがどのように取り扱われているのかは課題。今のChatGPTも適当にいい加減な答えが返ってくる。例えば『河野太郎さんは1971年生まれ』と出てて驚いたりすることもある。取り扱いには気を付けないといけないが、私としては働き方改革に大いに資すると思う。大量の情報を効率的に扱ったりできるので、積極的に考えていきたい」とも答えた。「河野太郎1971年生まれ」(実際には63年生まれ)のくだりでは、他の議員から笑いが起こった。
答弁に対し、平議員は「私も平将明は誰かと聞いたら『日本の中世の有力な武将』と答えられた。ただ、専門家が使う分には有力。イタリアが個人情報に不透明な点があるとして利用を停止しているが、個人的には解決できると思う」と見解を示した。「日本の中世の有力な武将」のくだりでは再び笑いが起こった。
平議員は具体的な使い方についても「できれば、信頼できる同盟国の進んでいる企業と基本合意書を結ぶべき。その上で議事録を取るなどオープンデータを使う分には問題ないと思う。もっと突っ込むならサーバは日本に置くなど、詳細を詰めた上で政府がまず使ってみるべき。問題は出ると思うが、ルールで解決するか、テクノロジーで解決するか、やり方はある。これにより、民間がAIを実装しやすくなっていくと思うので、政府が率先してAIを入れてほしい」と述べた。
平議員はAIの研究活用に必要な計算資源などについても見解を述べた。「情報通信研究機構や理化学研究所、産業技術総合研究所の計算資源をサブスクで貸せるようにするなど、若い研究者やスタートアップにAIの分野を頑張ってもらうのはどうか。また、結局(日本の企業は)もうかるモデルを作るのがへたくそ。OpenAIが出てきて、Microsoftはすぐにサービスを実装した。そういったビジネスモデルを作るのも一緒にやっていくべき」とした。
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