「みずほGPT」誕生か? みずほFG、Azureの生成AIサービスを活用検討へ
みずほフィナンシャルグループが、日本マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」の活用の検討を開始する。ChatGPTなどの大規模言語モデルをクラウド上で利用できるサービスを使い、業務効率化に取り組む。
みずほフィナンシャルグループは4月14日、傘下のグループ会社とともに、日本マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」の活用の検討を開始したと発表した。ChatGPTでも導入しているOpenAIの大規模言語モデルをクラウド上で利用できるサービスを使い、業務効率化に取り組む。
今回の検討にあたり、稟議書や契約書の作成サポート、事務手続やシステムに関する社員からの照会対応、自然言語を介した金融に関するデータ収集やプログラミング言語のコード生成など、あらゆるシーンでの活用を想定しているという。
生成AIの有用性を確認するとともに、セキュリティ面などの環境整備も進める。Azureは、マイクロソフトのセキュリティ基準やコンプライアンス要件に基づいて開発・運用しているが、みずほのセキュリティポリシーに沿って適切な管理体制を構築。顧客情報や機密情報の保護など、情報の取り扱いについては、法令順守のもと厳格に対応するとしている。
金融機関によるAzure OpenAI Serviceの活用については、三井住友フィナンシャルグループも「SMBC-GPT」をNECと共同で構築すると発表。情報が社外に流出しないプロトタイプを構築。従業員のみが利用できるようにする。文書作成、要約、翻訳、ソースコードの生成をSMBC-GPTにチャット形式で質問できるという。
日本経済新聞などによると、三菱UFJも同様の生成AIをマイクロソフトと共同で2023年夏に導入すると報じられており、メガバン3社を中心に金融機関で生成AIを業務利用する動きが活発化している。
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