グローバルのクラウドインフラ市場シェア、AWSとAzureの差が9ポイントにまで縮まる 2023年第1四半期、Synergy ResearchとCanalysの調査結果
調査会社の米Synergy Research GroupとシンガポールCanalysが、2023年第1四半期時点のグローバルにおけるクラウドインフラのシェアをそれぞれ発表。AWSとAzureの差が縮まりつつある。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「グローバルのクラウドインフラ市場シェア、AWSとAzureの差が9ポイントにまで縮まる。2023年第1四半期、Synergy ResearchとCanalysの調査結果」(2023年5月8日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
調査会社の米Synergy Research GroupとシンガポールCanalysは、2023年第1四半期時点のグローバルにおけるクラウドインフラのシェアをそれぞれ発表しました(Synergy Research Group、Canalys)。
クラウドインフラとは、IaaS、PaaS、ホステッドプライベートクラウドを合わせたもの。
両社の調査結果ではいずれも過去1年のクラウドインフラ市場の成長率を20%前後としており、これまで30%前後という高い成長率で推移してきたクラウド市場が、世界的な不景気の影響を受けて急速に減速していることが示されました。
AWSとAzureのシェアの差が2桁を切って9%に
そうした中で、2023年第1四半期の最大のトピックはAWSのシェアとMicrosoft Azureのシェアの差がついに2桁を切り、9ポイントになったことです。
すでに2022年第4四半期のCanaryの調査結果ではAWSのシェアとMicrosoft Azureのシェアの差が9ポイントとなっていましたがSynergy Research Groupの結果ではまだ10%以上の差がありました。
それが今四半期の調査結果では、CanaryとSynergy Research Groupの両社ともにAWSのシェアとMicrosoft Azureのシェアの差が9ポイントで一致しています。これでMicrosoft AzureのシェアがAWSに対して着実に近づきつつあることが明確に示されたといえるでしょう。
下記がSynergy Research Groupの調査結果のグラフです。AWSのシェアは32%で変わらず、米Microsoftが23%と前四半期の21%から2%もシェアを伸ばしています。
Canalysの調査結果も同様にAWSのシェアが32%、Microsoft Azureが23%となっています。
もしもこのまま四半期ごとにAWSとMicrosoft Azureのシェアの差が1〜2ポイントずつ縮まっていくとすれば、計算では1年半から2年前後でAWSに追いつくことになります。
Microsoft AzureはOpenAIとの提携によるAI関連サービスの提供が予定されており、引き続き高い成長が予想されます。Microsoft AzureがシェアでAWSに追いつく可能性が見えてきたと言っていいのではないでしょうか。
参考:マイクロソフト、GPT-3.5やDALL・E 2のAIモデルを含む「Azure OpenAI Service」正式に提供開始。まもなくAzure上で学習させたChatGPTなども実行可能に
関連記事
- グローバルのクラウドインフラ市場、市場の成長率が鈍化する中でAWSがシェア30%超を維持 AzureとGoogle Cloudは堅調 2022年第4四半期の調査結果
調査会社のSynergy Research GroupとCanalysが、2022年第4四半期時点のグローバルにおけるクラウドインフラのシェアをそれぞれ発表した。Canalysによれば、1年間でクラウドインフラ市場の成長率は鈍化。クラウドコストの上昇によって、顧客企業が支出の最適化を迫られているという。 - AWS「チョコ渡すならどのサービスがいい? Lambda? CloudFront?」 バレンタインに公式がTwitterアンケート 結果は
AWS公式「チョコ渡すならどのサービスがいい? Lambda? CloudFront?」──結果は……。 - “AWS公式サイト風”にカップ麺を紹介する画像が話題 分かりにくい説明文をそれっぽく再現 「もはやAWS文学」
カップ麺の特徴をAWSの公式サイト風に説明した画像が「もはやAWS文学」と話題に。公式による分かりにくい説明を再現しており「結局Qiitaなどの記事を見に行くやつ」などと、ITエンジニアを中心に注目を集めている。 - ニンテンドーアカウント刷新プロジェクトの裏側 27カ月にわたる試行錯誤、キーパーソンが語る
アクセスや連携サービスの増加からシステム改修を迫られていた「ニンテンドーアカウント」。システム刷新の裏側をキーパーソンたちが語る。 - ABEMAの「サッカーW杯配信」が安定していた理由、CTOが明かすインフラの舞台裏
2022年、日本中を大きく沸かせたサッカー世界大会「FIFA ワールドカップ 2022」のインフラはなぜ安定していたか。AbemaTVのCTOが裏側を語った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.