Jリーグはなぜテストデータを本番環境に出したのか 今後は“誰も不快にさせない”テストデータ作成へ
Jリーグの公式Webサイトで、誤った試合結果を表示する問題が発生した件で、Jリーグが、サイトの不具合修正の過程でテストデータを開発環境に取り込むはずが本番環境に取り込んでしまったと説明した。
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の公式Webサイトで、誤った試合結果を表示する問題が発生した件を巡り、Jリーグが6月10日、原因の詳細を説明した。サイトの不具合修正の過程で本番環境に接続したまま切断しなかったため、テストデータを開発環境に取り込むはずが、本番環境に取り込んでしまったとしている。
問題があったのは6〜7日に開催された3試合。試合結果が逆転した他、ある選手が一発退場になるという誤情報を表示。影響を受けた鹿島アントラーズの小泉文明社長は「原因の説明を求めて抗議する」としていた。
Jリーグによると、公式Webサイトでは7日以前に、一部の試合データにおいて適切なページに遷移できない不具合が発生していたという。サイト運営会社で調査した際に、問題のデータを確認するため本番環境のデータベースに接続。その後、修正のためテストデータを開発環境に取り込もうとしたが、本番環境のデータベースに接続したままだったため、テストデータが本番環境に取り込まれたという。
SNSでは試合結果やペナルティーの誤情報について「テストデータに悪意がある」との指摘もあった。テストデータを作成したデータスタジアム(東京都千代田区)は、ファンや関係者に不快な思いをさせたとして謝罪。その上で、「テストに用いられるシナリオ内容は、さまざまな事象(勝敗、得点等)を盛り込み、テストごとに一定のルールに基づいて対戦カード(クラブ)を設定のうえ、無作為に選手を選定し作成している」と説明した。
Jリーグは再発防止に向け、「本番環境に接続できる者を限定する」「本番環境への接続時は必ず承認を受け、切断時は報告する」「本番環境とテスト環境のデータベースを同期する」「テストデータの作成時はポジションや背番号順に選手を選ぶなど規則性を持たせる」などを挙げている。
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