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「AIより先に良い手を発見することある」──藤井聡太叡王と将棋AI「Ponanza」山本一成さんが対談(1/2 ページ)

戦略や手筋の研究にAIを活用していることでも有名な藤井聡太叡王だが、たまに“AIを上回る一手”を見つけることさえあるという。名人をも下すAI将棋ソフト「Ponanza」開発者の山本一成さんは「これが実際あるんですよね。なかなかないと思ってたんですけど」と驚きをあらわにした。

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 5月28日開催の第8期叡王戦でタイトル防衛を達成した藤井聡太叡王。戦略や手筋の研究にAIを活用していることでも有名な藤井叡王だが、たまに“AIを上回る一手”を見つけることさえあるという。6月17日に行われた藤井叡王とAI将棋ソフト「Ponanza」開発者の山本一成さんとの対談イベントで、山本さんは「これが実際あるんですよね。なかなかないと思ってたんですけど」と驚きを語った。

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藤井聡太叡王(画面左)と、山本一成さん(画面右)

以前は中盤の局面判断に困っていた AIの“評価値”が参考に

記者 いつ頃から将棋AIを活用しているのか、また、活用する効果はどのように感じていますか?

藤井叡王 私が将棋AIを活用するようになったのは2016年ごろでした。その当時は中盤でどういうふうに局面を判断していくかに課題を感じていて……。AIってその局面の評価値を判断してくれるので、それを参考にして自分自身の局面判断の力を伸ばせられたかなと思っています。

山本さん (Ponanzaが名人を倒せるほどの能力を持てたのは)いろんな要因があるんですよね。一番大きい要因は、それまでプロ棋士の棋譜を参考に機械学習していたところを、Ponanza同士の対戦を何億何十億戦わせた結果をフィードバックさせたところですね。自分で賢くなっていったんですよね。

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第2期電王戦の様子(2017年) Ponanzaは佐藤天彦名人に勝利

 その結果すごい面白かったのが、今まで人間が知らなかった手筋や戦法を(AIが)見つけていって。こんなにバリエーションがあるんだなと。まだ人間が知らなかった差し回しもたくさんあるんだなってのを見せてくれてうれしかったですね。

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