「サ終前に言ってくれればいいのに……」 “危ないアピール”はむしろサービスの寿命を縮める ドワンゴ栗田COOが語る現実
企業のサービス終了告知が出ると「危なくなった段階で言ってほしい」という反動がよく見られる。しかし、ドワンゴの栗田穣崇COOによると“危機アピール”はサービスの寿命をさらに縮めるという。
「サービス継続が危なくなった段階で言ってくれたらよかったのに……」──企業がサービス終了を発表すると、SNSではそんな反応がよく見られる。ドワンゴ取締役COOの栗田穣崇さんは6月28日、Twitterで「残念ながら終了決定前に危機をアピールすると早期に終わる可能性がさらに高まる」と解説した。将来性のないサービスと判断され、ユーザーが離れてしまう恐れがある。
ドワンゴは同日、自作ゲーム投稿コミュニティーサービス「ゲームアツマール」のサービスを終了した。投稿されたゲームはWebブラウザ上でプレイでき、「ニコニコ動画」のように画面上を流れるコメントを付けることもできたが、約7年の歴史に幕を下ろすことになった。
プレスリリースでは終了の理由として「ブラウザゲーム市場の縮小」を挙げている。栗田COOも「単体で収益性のないサービスはどれだけいいサービスでも継続できません」とツイートしている。
Twitterでは「運営側も、『このままだと終了の危機!』とアピールしてほしい」との反応があった。これに対し栗田COOは「残念ながら終了決定前に危機をアピールすると早期に終わる可能性がさらに高まります」と反応した。
「終了するかもしれないサービスは誰も使わないので、どんなサービスもクローズ告知は常に終了が決定してからになる」(栗田COO)
また、“危機アピール”によって売り上げが伸びたとしてもそれは一時的なものであり「持続して盛り上がっていかないとダメ」という。エンタテインメント領域ではさらに、コミュニケーションツールとしての側面があるため、「サービスが人気であること」「これからも続いていくこと」が大切としている。
栗田COOは「自分の好きなサービス、なくなって困るサービスには後悔しないように、積極的にお金を使っていきたいね」と語った。
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