マンガ実写化のカギは“キャラ”にあり 映画「キングダム」にみる良作の条件、マンガ家が解説:サダタローのゆるっとマンガ劇場(1/5 ページ)
人気マンガ「キングダム」の実写映画化の第3弾「キングダム 運命の炎」が7月28日より公開中です。マンガの実写化に関しては否定的な意見が多いと思いますが、そんな中でもこのキングダムシリーズは成功を収めているといえるでしょう。
古代中国の春秋戦国時代末期を舞台とした人気マンガ「キングダム」の実写映画化の第3弾「キングダム 運命の炎」が7月28日より公開中です。マンガの実写化に関しては否定的な意見が多いと思いますが、そんな中でもこのキングダムシリーズは成功を収めているといえるでしょう。
マンガの実写化に否定的な意見に多いのは、原作を改変したり、納得のいかないキャスティングがされたり、見た目がコスプレにしか見えなかったり……要は制作側の都合で原作をいじってしまうことへの不満だと思います。では、成功している作品は何が違うのでしょう?
ボクは、原作を実写で表現していくうえで、登場キャラクターの魅力が損なわれていないことがとにかく一番重要なことではないかと思っています。原作をいじること自体が問題ではなく、原作をいじることで、マンガにとって重要なファクターであるキャラクターの言動や容姿に違和感が生じることが問題だと思うのです。
今回のキングダムの映画は、原作エピソードの取捨選択には個人的に不満もあるのですが、ストーリーの大筋は原作を踏襲していて問題ないですし、キャスティングも素晴らしいと思います。メインキャラの見た目には若干コスプレ感があるものの、むしろ一騎当千の強さが誇張されていて好印象でした。
そしてこれらの要素が原作でのキャラクターの魅力を損ねることなく、実写になっても違和感なく見られること。それが、キングダムの面白さにつながっていると思うのです。
今後もマンガの実写化作品の公開が色々控えています。原作のキャラクターの魅力をうまいこと実写に落とし込んだ良作がたくさん出てきてくれるといいなと期待しています。
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