「やべぇ夏休みの宿題終わってねぇ!」というときに使える? ChatGPTで読書感想文作ってみた:AIに相談だ!(3/3 ページ)
AIチャットサービス「ChatGPT」に、人間には答えにくい質問や、答えのない問い、ひっかけ問題を尋ねてみたらどんな反応を見せるのか。その反応からAIの可能性、テクノロジーの奥深さ、AIが人間に与える“示唆”を感じ取ってほしい。
読書感想文は読書しなければ書けない
どうだろうか。今回は青空文庫にある「桃太郎」を題材にした。宿題としての読書感想文の難しいところは「本を読むのが面倒」「本を読んだ感想なんてない」の2点だろう。気持ちは分かる。「ChatGPTを使うなら最初から全文書かせればいい」「それだけ質問に答えられるなら読書感想文は簡単に書けるだろう」とも思ったかもしれない。
しかし全自動で書くのは難しい。試しに「楠山正雄版『桃太郎』について、3〜5段落程度の読書感想文を書いてください」と指示するとこんな返答があった。
「申し訳ございませんが、楠山正雄版の『桃太郎』についての具体的な内容は私のデータベースには存在しないため、直接的な感想文を提供することができません。特定の情報や内容を提供していただければ、それに基づいて感想文を書くこともできます」
知らない作品の感想は書けない。課題図書が世界的に有名な作品であれば、ChatGPTがどこかでそれを学習していて、それを基に感想を生成できるかもしれない。そうでないなら、本文全てを入力してそこから感想を引き出すしかない。全文入力している暇があったら読書感想文を自分で書いたほうが早い。本を読まなくていいなんて甘い話はない。
それで、ChatGPTに質問させて感想を引き出させるという戦法になる。これは(家庭にもよるだろうが)これまで保護者がやっていたような作業でもある。「この本を読んでどう思った?」「じゃあそう書こうか」というちょっとしたサポートがあるだけで執筆のやりやすさは大きく変わる。
読書感想文にはある程度の“テンプレート”が存在する。今回はそれをプロンプトにした。“感想なんてない派”のために「その部分を読んで感動、共感、疑問、気持ち悪さ、気付きのいずれを得ましたか?」という質問を入れていたりする。ゼロから感想を引き出すよりは、感情の方向性をざっくり示したほうがゴールを見やすくなるのではないかという理論だ。
そうしてChatGPTが出力した文章を“参考”に、自分で書き直せば完成だ。
なお、文部科学省は7月に公開したガイドラインの中で、教師に向けて「生成AIの生成物をそのまま提出することは、評価基準によっては不正行為になり、自分のためにならないと指導する」よう呼び掛けている。抜け道はない。
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