夏休みの自由研究、ChatGPTにやらせてみた 結構悪くないが意味がない:AIに相談だ!(3/3 ページ)
AIチャットサービス「ChatGPT」に、人間には答えにくい質問や、答えのない問い、ひっかけ問題を尋ねてみたらどんな反応を見せるのか。その反応からAIの可能性、テクノロジーの奥深さ、AIが人間に与える“示唆”を感じ取ってほしい。
全部やってくれてしまう
どうだろうか。子供の自由研究としては十分な質になりそうだ。ChatGPTが出力した内容に沿って実験し、写真を撮って資料としてまとめれば完成だ。一つ指摘するとすれば、冷水・室温の水・温かい水・室温を記録しておきたい点くらいだろう。
また、これだけで完結しているわけではなく、結露について本やネットで調べて簡単にまとめるパートを付け足すのもいいと思う。
だが、これは自由研究の目的を達成できているのだろうか。子供自身に、自分が感じた疑問を実験を通して解決していく体験をさせるのが重要なのではないか。ChatGPTを使ってできるのは宿題を終わらせることでしかない。自由研究は保護者などのサポートも重要だが、これはサポートの域を超えている。
これをコピー&ペーストするなら、やっていることはネットの記事をそのまま書き写すのとほぼ変わりない。字を書く練習にはなるかもしれないが本当に何の学びにもならない。
なお、この手法はかなり危険なものでもある。AIは「ハルシネーション」といって、不正確な内容をまるで本当かのように書くことがある。信じてコピーペーストしたら完全に間違った自由研究ができる可能性がある。やめておいた方がいい。自由研究コンテストに提出させられる場合は、ルール違反で問題になる可能性もある。
どうせなら「ChatGPTで自由研究を自動生成する方法」を自由研究にした方が面白い。
関連記事
- 「やべぇ夏休みの宿題終わってねぇ!」というときに使える? ChatGPTで読書感想文作ってみた
AIチャットサービス「ChatGPT」に、人間には答えにくい質問や、答えのない問い、ひっかけ問題を尋ねてみたらどんな反応を見せるのか。その反応からAIの可能性、テクノロジーの奥深さ、AIが人間に与える“示唆”を感じ取ってほしい。 - 小中学校向け生成AIガイドライン 文科省が発表 “夏休みの宿題にChatGPT”はどう指導する?
文部科学省は、夏休みを前に「ChatGPT」などの文章生成AIを小中学校で活用する際の考え方をまとめた暫定的なガイドラインを公開した。 - ”ChatGPT時代”初の夏休み どうする学校のAI対策 保護者から見た文科省「AIガイドライン」の中身
文部科学省が学校教育におけるAIの利用に関して、ガイドラインを発表した。その中身を、保護者目線で検討してみたい。 - OpenAI、企業向け「ChatGPT Enterprise」提供開始 高速GPT-4でプライバシーも安全
OpenAIはMicrosoftの「Bing Chat Enterprise」と競合する企業向けAIチャットサービス「ChatGPT Enterprise」の提供を開始した。高速なGPT-4を利用でき、プロンプトやデータがトレーニングに使われることはない。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.