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電子機器から出る「電磁波ノイズ」で発電する技術、ソニーが開発 待機状態でもOK
ソニーセミコンダクタソリューションズが、電磁波ノイズエネルギーを利用した環境発電用のモジュールを開発した。モニターや照明などから常時発生する電磁波ノイズを使って、IoTセンサーや通信機器などの省電力デバイスを動かすことができるという。
ソニーセミコンダクタソリューションズは9月7日、電磁波ノイズエネルギーを利用した環境発電用のモジュールを開発した。これにより、モニターや照明などから常時発生する電磁波ノイズを使って、IoTセンサーや通信機器などの省電力デバイスを動かすことができるという。
モジュールは、家電やPC、ライト、自動販売機、エレベーター、自動車、産業用機器などが発生する電磁波ノイズをエネルギー源として、数十μW〜数十mWの電力を収穫(同社はエナジーハーベスティング技術と呼称)できるという。同社がチューナー開発で培ってきたアンテナ技術をもとに、電磁波ノイズの発生源である電子機器などの金属部をアンテナの一部として活用した。
数Hz〜100MHz帯の電磁波ノイズを電気エネルギーに変換し、低消費電力タイプのIoTセンサーや通信機器への給電、電池への充電が可能。また、電子機器が通電されていれば待機時でも電力の収穫が可能なため、太陽光や電波、温度差などを使った他の方式と比べて使用環境の影響を受けにくいとしている。
電子機器などから発生する電磁波ノイズを収穫し続けるため、収穫電圧の変化を検知することで電子機器の状態把握も可能。例えば、照明が正常に点灯しているかの検知、モーターを内蔵したロボットなどの機器の故障の予知管理などへの応用も期待できるとしている。
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