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スパコン世界ランキングで「富岳」は4位に 「HPCG」は1位継続、「引き続き世界最高水準」と富士通
富士通と理化学研究所は14日、世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500」で4位になったと発表した。
富士通と理化学研究所は11月14日、世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500」で4位になったと発表した。ただし「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」ランキングでは、富岳が8期連続の世界1を獲得している。
TOP500は、米コロラド州デンバーで開催しているHPCの国際会議「SC23」で14日(現地時間)に公表された。米国の新型スパコン「Frontier」などが1位から3位までを占め、富岳は4位だった。AIの深層学習などに用いる単精度や半精度演算処理に関する性能ベンチマーク「HPL-MxP」(旧HPL-AI)でもFrontierが1位で、富岳は3位だった。
一方、富岳が1位をとったHPCGは、産業利用などの実際のアプリケーションでよく用いられる共役勾配法の処理速度ランキング。富岳は432筐体(15万8976ノード)を用い、16.00PFLOPS(ペタフロップス)という高いスコアを記録した。「引き続き富岳の世界最高水準の総合的な性能を示すもの」(富士通)。
TOP500は、行列計算による連立一次方程式の解法プログラムであるLINPACKの実行性能を指標としてスパコンの性能を500位まで定期的にランキング化、評価するプロジェクトで、1993年から年2回発表している。HPCGは2014年11月の「SC14」で正式なランキングとして採用された。
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