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映画「首」は魅力いっぱいの上質なコント作品! なのに見てきた漫画家が頭を抱えた理由:サダタローのゆるっとマンガ劇場(1/6 ページ)
北野武監督の最新映画「首」が11月23日より公開されました。登場人物の狂いっぷりや切れ味鋭いバイオレンス描写などが話題になっているようですが、個人的には狂気というより、生々しい“人間臭さ”を感じました。
北野武監督の最新映画「首」が11月23日より公開されました。本能寺の変を北野監督独自の解釈で映像化した本作は、同じく北野監督作品である「アウトレイジ」などに見られる、登場人物の狂いっぷりや切れ味鋭いバイオレンス描写などが話題になっているようですが、個人的には狂気というより、生々しい“人間臭さ”を感じました。
首の登場人物は、侍から百姓にいたるまで己の欲望に忠実です。天下を取りたい、認められたいといった出世欲に、武将同士の愛欲まで絡んできます。今作ではそんな欲望に駆られて殺し合う登場人物たちを芸人でもある北野監督独特のシニカルな笑いでもって表現しています。
今作を一言で表すなら、まさに戦国時代の人々の生き様をテーマにしたコントだと思います。北野作品特有の美しい映像も素晴らしく、個人的には大満足の作品でした。
ただ、アウトレイジほどではないにせよバイオレンス表現は多く、グロテスクな描写も相当なもの。BL要素もあって、万人にはオススメできないのもまた北野武監督作品っぽいところ(詳しくは漫画で!)。それでもそういう表現に抵抗のない方、北野監督の作品が好きな方にはぜひ劇場に足を運んでほしいと思います。
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