Google DeepMind、LLM採用AIシステム「FunSearch」で数学的難問を解決
Google DeepMindは、LLM採用のAIシステム「FunSearch」を発表した。LLMとLLMによる幻覚を防止する“評価器”を組み合わせたもので、「ビンパッキング問題」向けの実用的なアルゴリズムも出力できる。
米Google傘下のGoogle DeepMindは12月14日(現地時間)、LLM(大規模言語モデル)とLLMによる幻覚(ハルシネーション)を防止する“評価器”を組み合わせた新たなシステム「FunSearch」を発表した。長年解決不可能な数学問題とされてきた「Cap set問題」を解き、実社会でも役立つ「ビンパッキング問題」のための効果的なアルゴリズムを発見したという。
FunSearch(funは「楽しい」ではなく、「関数」に由来する)は、GoogleのLLM「PaLM 2」をコンピュータコードで微調整したバージョンの「Codey」を使っている。LLMは不正確な情報を幻覚させることが分かっているため、LLMの出力から不正確だったり無意味だったりする部分を拒否する“評価器”アルゴリズムを組み合わせているという。
FunSearchはLLMと評価器による出力と評価を反復させていくことで、自己改善のループを形成する。
FunSearchはビンパッキング問題で、「簡単なセットアップ」によって既存のヒューリスティックを上回るプログラムを提供したという。
ビンパッキング問題の解決は、コンテナに荷物を積み込む方法から、データセンターでのコンピューティングジョブの割り当てまで、実社会で役立つものだ。Google DeepMindは、FunSearchであれば、簡単に検査して導入できる解決向けのコードを出力する。つまり、そのソリューションを実際の多様な産業システムに組み込んで、メリットをもたらす可能性がある」としている。
詳細な論文はNatureのWebサイトで読むことができる。
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