気になるテスラの「電気代」「整備費」 丸2年乗ったモデル3オーナーの、ランニングコストの総額は?:走るガジェット「Tesla」に乗ってます(4/4 ページ)
TeslaのModel 3に乗り始めてから2023年9月の時点で2年が経過しました。今回は消費電力や整備費用など、家計簿的な目線でこの2年を総括します。
12月に発表された「200万台リコール」の中身
安全に関連する話ですが、2023年12月初頭、Teslaは米国で約200万台のリコールを届け出ました。内容は、オートパイロットの誤用防止対策です。オートパイロットは、ドライバーによる常時監視が必要な運転支援機能です。しかし、機能を過信、あるいはコンプライアンス無視から事故を起こす事例があり、そこを問題視した規制当局の指導によるものです。
オートパイロットは、ハンドルへの入力を一定時間感知しない状態が続くとスクリーンや音で警告を発し、最終的には自動解除され停止に至ります。自動解除された後は、パーキングモードに入れない限り、再度、作動させることはできません。
規制側は、この警告や自動解除後の機能制限の内容が不十分であるがゆえに誤用や過信が発生すると断じたようです。決して、オートパイロットの運転支援機能そのものの問題を指摘したわけではありません。これを受けて、TeslaはOTAによるリコール対応を実施するとしています。
今回のリコールでの主な変更点は、次の通りです。1つは、警告の表示位置を視認しやすい位置に移動することでドライバーに注意喚起を促します。
加えて、コンプライアンス意識の低いドライバーに向けた対策として、オートパイロットの強制解除を連続的に受けた場合、オートパイロットの使用を一定期間制限する仕組みを導入する、としています。この原稿を執筆している時点では、このリコールは日本では適用されません。
現行のオートパイロットの強制解除がどのようなものであるかは、上の動画でご確認ください。筆者であれば、これだけの警告を受けたら、以後、同じ轍を踏みたくないと思うのですが、これでも不十分ということは、ことオートパイロットの利用については、危機意識が低い人が一定数いるということでしょうか。
著者プロフィール
山崎潤一郎
音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla
関連記事
- テスラ車に潜む「ファントムブレーキ」という“幻影” オーナーが実際に体験した一部始終
「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。今回は、関越道で自動緊急ブレーキを食らった話、Teslaの自動運転、「Hey Siri」でModel 3を操作する、といった3件のネタを取り上げます。 - 不安しかない「CHAdeMO」の未来 日本発のEV充電規格は、無事生き残れるのか
世界に先駆けて登場した日本発のEV充電規格「CHAdeMO」に未来はあるのでしょうか。今回は、TeslaのCHAdeMOアダプターのソフトウェアアップデートをきっかけに、CHAdeMOを巡る課題について、Teslaユーザーの視点で考察します。 - エンジン車の燃費と全く違う“電費のクセ” テスラ「モデル3」の場合
Model 3を日々運用しているとエンジン車時代の常識では計り知れない状況に直面することがあります。その1つが「電費」です。エンジン車で言うところの「燃費」です。本稿では、Model 3の電費について考察します。 - 2年乗ったテスラ「Model 3」の下取り価格は? その乱高下っぷりとバッテリー劣化の関係
アンチTeslaな人たちの高笑いが聞こえてきそうです。というのは、Tesla Model 3のリセールバリューが急落しているからです。本当に二束三文になるかどうかはわかりませんが、少なくとも筆者のModel 3でいうと、昨年から今年にかけて価値が急落したことは確かです。 - Tesla Model 3、1年乗ってバッテリーはどのくらい劣化した?
Teslaのバッテリーマネジメントについて詳しく調べてみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.