テスラの運転支援「オートパイロット」って実際どうなの? 「モデル3」オーナーが感じた“能力の高さ”とは:走るガジェット「Tesla」に乗ってます(3/3 ページ)
「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
危険回避は一般道でも使える
じゃあ、Teslaはオートパイロット起動時にしかアクシデント回避を発動しないのかというと、そのようなことはありません。一般道を手動で運転しているときも危機回避アラートを発します。
次の動画は、道ばたで立ち話をする工事の作業員の挙動に反応しています。決してすべての作業員や歩行者に反応するわけではありませんが、「アクシデントが起きるかも」と予測した場合にのみ反応するようです。このときは、警告音だけで、自動ブレーキは作動しませんでした。
上記の他にも、誘導棒を振りながら身を乗り出す警備員や、路肩を走る自転車に対し警告音が鳴ったこともあります。
ただ、路上の工事関係者や自転車に対し、常に警告音が鳴るというわけではありません。何事もなく通り過ぎることの方が圧倒的に多いことは確かです。従って、Teslaビジョンがどのような判定基準で対象物の挙動を判断し、警告音を発しているのかは、ユーザーにはうかがい知れません。その部分はあくまでもブラックボックスです。
これからも定点観測を行いつつ、ユーザーとしてオートパイロットの進化を楽しみたいと思います。
著者プロフィール
山崎潤一郎
音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla
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