警察庁にサイバー犯罪専門の”特捜部”が誕生する。正式名称は、サイバー特別捜査部。国内では2023年、フィッシングのメールやサイトによるインターネット・バンキングの不正送金被害が激増するなど、サイバー空間を悪用したハイテク犯罪の発生件数が拡大。捜査に国際協力が欠かせない中、体制強化だけでなく、各国捜査機関と格を合わせる狙いもある。
総人員300人に
開会中の通常国会に提出された政府の24年度予算案には警察庁分として、サイバー特別捜査隊の部への格上げと、増員による体制強化を柱とするサイバー対策費総額49億6200万円が盛り込まれた。
これにより、4月にサイバー特捜隊がサイバー特捜部に昇格することが事実上決定。専従員は100人から約30人増員され、47都道府県に設置された情報通信部で解析を担当する職員の兼務を含め総人員は300人程度となる。
ネット上の仮想空間を主戦場とするハイテク犯罪が国際的に広がりを見せる中、警察庁は22年4月に内部部局のサイバー警察局を新設。同時に警察法改正で戦後初の国の「捜査機関」として発足させたのが、サイバー特捜隊だ。
独自の捜査権に基づき、外国捜査機関との国際共同捜査に本格着手したが、システム破壊や情報改竄(かいざん)などのサイバー攻撃を仕掛ける犯罪集団の技術力、犯行手口の進歩に直面し、わずか2年で体制強化を迫られた形だ。
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