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経常黒字=円高は昔の話 巨大ITへの支払い増が新たな円安要因に 2023年の国際収支(2/2 ページ)

財務省が2月8日発表した2023年の国際収支速報で、経常収支は20兆円を超える黒字の高水準だった。「経常黒字は円高要因」が定説だったが、日本は2022年来、歴史的な円安に直面する。その主因は日米の金融政策の方向性の違いからくる金利差拡大にある。

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産経新聞
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巨大ITへの従属

 サービス収支の国際化も見逃せない変化だ。このうち巨大ITへの支払いが含まれるその他業務サービスが4.6兆円の赤字となり、訪日需要の追い風を受けた旅行収支の過去最大の黒字計上を打ち消した。

 巨大ITへの支払いには、たとえば米Googleのインターネット広告料や米Amazon.comの定額サービス利用料が入る。これらのサービスは巨大IT側の価格支配力が極端に高い一方、企業も個人も日常的に利用しており、今後も支払いが増えていく可能性が高い。

 日本は20年まで32年連続で世界最大の債権国の地位を守ってきた。円安が行き過ぎれば、外貨建て資産売却などの通貨防衛策を打つこともできる。ただ、新たな円安要因が無視できない状況にあることを踏まえると、唐鎌氏は「『仮面の債権国』として経験する円安にどこまで政治や経済、社会が耐えられるかという視点を持つべきだ」と主張している。(米沢文)

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