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小型ロケット「カイロス」、国内ベンチャー初の人工衛星打ち上げへ 目指す手軽な「宇宙宅配便」(2/2 ページ)

和歌山県串本町に整備された日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から9日、小型固体燃料ロケット「カイロス」初号機が打ち上げられる。宇宙事業会社「スペースワン」(東京都港区)が運営し、国内ベンチャーによる人工衛星打ち上げは初の挑戦。将来的には年間20回の打ち上げを実現して宇宙輸送の一翼を担うことが期待され、地元も熱い視線を送っている。

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産経新聞
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チケット完売、地元も盛り上がり

 当日は、特設サイトでライブ中継される他、発射場のある串本町と隣接する和歌山県那智勝浦町に1カ所ずつ、打ち上がったロケットを近くでみられる見学場(有料、事前予約のみ)を設置。また、同県内や東京都内などに10カ所以上のパブリックビューイング会場が設けられる。

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見学場のチケット(5000人分)は特設サイトで1月29日午後1時に発売されたが、2日後の31日午後に売り切れた。キャンセル分を2月26日に販売したところ、これもその日のうちに完売。那智勝浦観光機構が企画した1泊2日の見学ツアーも数日で定員に達したという。

 両町の主な宿泊施設には予約が殺到。那智勝浦町のあるホテルでは、打ち上げ日程が発表された1月下旬から予約が増え、すでに前日と当日は満室という。

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報道関係者に公開されたロケット発射場の「スペースポート紀伊」=22年12月、和歌山県串本町(張英壽撮影)

 発射地点の南や東に陸地がないなどの条件で22年に発射場が完成した串本町では観光需要に期待が高まる一方、周辺の道路は渋滞が予想され、当日の町営バスと観光周遊バスを全便運休とするほか、ごみ収集を中止するなどして対応する。田嶋勝正町長は「ロケットの意義は観光振興だけではない。地元の子供たちにとって、ロケットの技術を間近に見られるのは人生観に影響を与える大きなものだ」と期待を寄せた。(花輪理徳、張英壽、大谷卓)

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