「へこたれるな」カイロスロケット延期、見学場ではカウントダウンもため息…次回に期待の声も
宇宙事業会社「スペースワン」(東京都港区)は3月9日、和歌山県串本町のロケット発射場「スペースポート紀伊」から同日予定していた小型固体燃料ロケット「カイロス」初号機打ち上げを延期すると発表した。見学場の一つ、同県那智勝浦町の旧浦神小学校では、発射に向けてカウントダウンするなど期待が膨らむ中で突然延期が知らされ、来場者からため息が漏れた。
宇宙事業会社「スペースワン」(東京都港区)は3月9日、和歌山県串本町のロケット発射場「スペースポート紀伊」から同日予定していた小型固体燃料ロケット「カイロス」初号機打ち上げを延期すると発表した。見学場の一つ、同県那智勝浦町の旧浦神小学校では、発射に向けてカウントダウンするなど期待が膨らむ中で突然延期が知らされ、来場者からため息が漏れた。
見学場は、同校が廃校になった後に校舎の屋上などを見学スペースとして整備。「カイロス」のモニュメントも設置され、雰囲気を盛り上げている。入場には事前予約が必要で、2500人分のチケットが発売から2日で完売していた。
この日は早朝から多くの予約者らがグラウンドに集まり、ビニールシートを広げて場所を確保したり、カメラをセッティングしたりと準備を行った。同校の卒業生でもある同町の堀順一郎町長は「浦神小にこれほど人が集まったのは初めてではないか」と感慨深げに語っていた。
打ち上げ時刻が迫った11時前には、会場でカウントダウンが始まるなど盛り上がりが最高潮に。いったん時刻が16分後に変更されたあと、打ち上げそのものの延期が知らされると、「えーっ」と驚きの声が上がった。
同県有田市の高校2年、沼道莉奈さん(17)は「延期は残念だけど、ロケットが遠い存在ではないと感じることができた」と話した。「延期の理由が知りたい」と話したのは同県有田川町の高校2年、岡田綺海(あやみ)さん(17)。「次回の打ち上げもネット中継などを通して応援していきたい」と期待を込めた。
大津市の会社員、原稔明さん(71)は「初めてのことだから難しいこともあるだろう。地域のためにもへこたれず頑張ってほしい」とエールを送った。
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