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「AIがあればプログラミングは勉強しなくていい」は本当か? 現実的な反論を試みる:小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)
今教育界で話題になっているのが、「AIがあればプログラミングは勉強しなくていいのでは?」という子供達の疑問について、いかに納得する反論ができるか、という事である。この質問をAIに投げてみると、
今教育界で話題になっているのが、「AIがあればプログラミングは勉強しなくていいのでは?」という子供達の疑問について、いかに納得する反論ができるか、という事である。この質問をAIに投げてみると、
- AIはまだ完璧ではなく、ミスをする可能性があるため、プログラマーが結果を評価し、必要に応じて修正する必要がある。
- プログラミングを学ぶことは論理的思考力や問題解決能力を高める。これらのスキルは他の分野でも重要。
- プログラミングの基礎知識があれば、AI生成コードをより深く理解できる。
- AIは常に改善の余地がある。プログラマー自身がAIを訓練し、改善していく必要がある。
- プログラミングは創造性を育む。新しいアイデアを実現するためには人間の柔軟な思考が必要。
という回答が得られる。この回答には、多くの人の実際の反論を学習したエッセンスが詰まっていると考えられる。これで納得する人も一定数いらっしゃるだろうが、それはプログラミングができる人か、それに近い事ができる人に限られるように思う。実際筆者はプログラミングができないので、上記の理由には論理的には納得できるが、体験的な自信を持って子供達には説明できないでいる。
そんな折、日本デジタル・シティズンシップ教育研究会というところのオンラインゼミで、成田潤也先生の「AI翻訳と小学校教育」という講演を聴いた。先生は神奈川県の公立小学校で英語を担当する現役の教諭でいらっしゃるが、機械翻訳を小学校の外国語教育にどう使っていくかをテーマに研究されており、数年前にポータブル機械翻訳機「ポケトーク」をの子供達に配布して授業を行ったお話しを伺うことができた。
これが非常に示唆に富むお話しだったので、これをベースに「AIがあれば勉強しなくていい」に対して、筆者でも納得できる反論を考えてみたい。
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