エストニア軍のネットワークエンジニア→日本のIT企業に とある外国人エンジニアに聞く“お国柄の違い”:外国人エンジニアに聞く「あなたは何しに日本へ」(2/2 ページ)
日本で働くITエンジニアの人たちにインタビュー。今回は、エストニアの軍隊でネットワークエンジニアとして働いた経験を持ち、現在はメタップスホールディングスで働くマルコ・ポップさんに話を聞いた。
──そんな国から日本に来ると、ギャップも大きいのでは、と思うのですが、いかがでしょうか。
マルコ 会議が多かったり、遅くまで働かなくてはいけなかったりするイメージがあり、周囲からも「大変だよ」と言われていました。そして、実際はもっと大変でした。来てすぐは日本語が上手ではなく、会議で言っていることが分からないこともあり、慣れるのに時間がかかりました。
エストニアと日本を比べると、働き方の文化に違いがあるかもしれません。日本はエストニアに比べて結果よりプロセスを重視する傾向があると感じています。エストニアでは自分の仕事をすぐ終わらせればよくて、プロセスはあまり問われません。
例えば、エストニアでは遅くまで働くのはダメなことです。定時までに仕事が終わらなければ、クビの可能性が高まります。8時間の中でパフォーマンスを出せなければ、その仕事は向いていないと捉えられます。対して日本は「5時までに終わらなかったら8時まで」ですよね。頑張り方の方向性に違いを感じます。
あと、業務へのかかわり方も違います。例えばエストニアでは、フロントエンドエンジニアはフロントエンドの仕事しかせず、そのスキルを高めますが、日本ではバックエンドなどさまざまな仕事も少しずつ触る印象です。
私はずっとメタップスにいるので、もしかするとメタップスだけの話かもしれませんが、他社からもそういう話は聞きます。私としては、仕事がつまらなくならないので、面白いです。
エストニアでは、仕事がつまらなくなったら転職するのが普通なので、1年だけ働くみたいな働き方もよく見かけます。日本でもこれからそういう働き方が広がるみたいですね。
──日本の住環境はいかがですか?
マルコ 日本はすごい便利ですね。オフィスまで行くのが楽です。特に交通のインフラが良い。距離が遠くても、移動に時間がかからない。
エストニアは小さい国なので、電車も日本に比べると少ないです。首都のタリンでも2つの路線しかないですし、あまり使っている人もいません。使うのはバスか車がメインですね。
ただ、最近はUberなどタクシーの配車サービスや、電動キックボードなどがすごく便利になっており、たくさんの人が使っています。ただ、電動キックボードはめっちゃ危ないです(笑) 日本ではまだそこまで問題になっていない印象ですが、エストニアでは少し問題になっています。
──マルコさんと同様に日本に来る方が多いのですか?
マルコ 少ないです。結構レアですね。日本に来るエストニア人は2種類で、大使かエンジニアです。日本に住むエストニア人をたくさん知っているわけではないのですが。
──理由は?
マルコ やはり言語の壁が大きいです。また、エンジニアはEUの方が稼げるので、仕事だけを理由に日本に来る人はあまりいないんじゃないかと思います。最近は円安ですし。
──最後に、今後のキャリアについて考えがあれば教えてください。
マルコ 日本には良いソフトウェアを作るチャンスが多いと感じています。良いエンジニアも多いので、メタップスで良いソフトウェアを作り続けたいですね。
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