著名人の“ニセ広告”、総務省が対策検討 「プラットフォーム事業者に適正な対応」求める
松本剛明総務大臣は、4月9日の定例会見にてSNSなどで拡散されている著名人を使った偽の詐欺広告について、対策を検討中であることを明かした。
松本剛明総務大臣は、4月9日の定例会見にてSNSなどで拡散されている著名人を使った偽の詐欺広告について、対策を検討中であることを明かした。
著名人の写真を無断で使用する偽広告を巡っては、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などSNSを中心に複数報告されるようになっており、実業家の前澤友作氏は、Facebook Japanの味澤代表に「FacebookとInstagram上での詐欺広告が大きな社会問題になってますが、今後どのようにこの件対応される予定ですか?」とX上で直接質問する事態となっている。
この他、堀江貴文氏も詐欺広告に関し情報提供を呼びかけおり、5日には「来週自民党のデジタルプラットフォーム規制の委員会で話をする機会を頂きましたので、そこで一気に日本政府に動いてもらおうと思ってます」と投稿していた。
プラットフォーム事業者に適切な対応求める
記者から、詐欺広告について総務省の対応を聞かれた松本大臣は「なりすまし型の偽広告で、詐欺をはじめ、さまざまな被害が出ていることが一つ問題になっている。なりすましによって被害を受けた方がいるのとあわせて、なりすまされた方も社会的評価が下げられる、権利を侵害される可能性もある。私どもとしても大変大切な課題であると考えている」と回答。
「総務省としてはプラットフォーム事業者に対して適正な対応を、利用規約を踏まえてしっかりやってもらうように求めると同時に、削除対応の迅速化、運用状況の透明化を求めるプロバイダ責任制限法の改正法案を今国会に提出している」「さまざまな情報流通の健全性を確保するべく手段を積み上げてきているが、有識者会議で議論・検討を更に進め、しっかりと対応していきたい」(松本大臣)
「プラットフォーム事業者からもヒアリングをしており、大きな意味でお金の流れにも少し注目していくという意味で、広告業界や広告主の方々からも、ヒアリングをしている。制度面も含めて総合的な対策の検討を進めたいと考えている」と述べ、制度面やステークホルダーを巻き込んでの対策を検討している旨を明かした。
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