「AWS Snowmobile」がサービス終了に 大型トラックでデータセンターのデータを吸い上げる移送手段
米AWSが2016年に発表した、100ペタバイトのストレージを備えたトラックで顧客のデータセンターからデータを吸い上げる「AWS Snowmobile」のサービスが終了したことが明らかになりました。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「AWS、大型トラックでデータセンターのデータを吸い上げる「AWS Snowmobile」がサービス終了に」(2024年4月23日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米AWSが2016年に発表した、100ペタバイトのストレージを備えたトラックで顧客のデータセンターからデータを吸い上げる「AWS Snowmobile」のサービスが終了したことが明らかになりました。
米CNBCの取材に対してAWSの広報がサービスが終了したことを認めました。
現時点でクラウドへのデータ転送を物理デバイスで行う「AWS Snow」ファミリーのサービスには「AWS Snowcone」と「AWS Snowball」の2つのデバイスがリストされていますが、AWS Snowmobileの名前はすでに消えていました。
エクサバイト級のデータ転送のために登場したAWS Snowmobile
AWS Snowmobileは、エクサバイト級のデータを持つ顧客がクラウドへ移行する際に用いられるデータ転送手段として、2016年のイベントAWS re:Invent 2016で発表されました。
エクサバイトのデータを10Gbpsのネットワークで転送すると26年かかるところ、10台のAWS Snowmobileでは6カ月程度でクラウドへ転送できると説明され、基調講演のステージに本物のAWS Mobileトラックを登場させる演出は大きな話題となりました。
参考:[速報]顧客のデータセンターに大型トラックで乗り付け、100PBのデータを吸い上げる「AWS Snowmobile」発表。AWS re:Invent 2016
CNBCの取材に対してAWSの広報担当者は「データ移動のためのより費用対効果の高いオプションを導入した」と答えたことが紹介されています。
AWS Snowmobileが登場した2016年末からすでに7年以上が経過しました。この間の技術の進化や低価格化などの変化によって、大規模なデータ転送の最適解も変わった、ということのようです。
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