北朝鮮が日本のアニメ制作に関与? 7月放送作品も 米調査機関が報告
北朝鮮の国有企業が、日本のアニメ制作に関与している可能性がある──非営利のシンクタンクである米Stimson Centerの情報分析サイト「38 North」で、こんな可能性が示唆された。北朝鮮のものとみられるクラウドストレージサーバを調査した結果、日本のアニメに関するファイルが見つかったという。
北朝鮮の国有企業が、日本のアニメ制作に関与している可能性がある──4月22日(現地時間)、非営利のシンクタンクである米Stimson Centerの情報分析サイト「38 North」で、こんな可能性が示唆された。北朝鮮のものとみられるクラウドストレージサーバを調査した結果、日本のアニメに関するファイルが見つかったという。
クラウドストレージは2023年末に見つかったもの。IPアドレスは北朝鮮のもので、すでに使用はされていなかった。しかし設定にミスがあり、ファイルの内容やログなどがパスワードなしで閲覧できる状態だったという。
Stimson Centerは24年1月、米Google傘下のセキュリティ企業Mandiantと共同でファイルやアクセスログを調査。結果、ファイルの中身はアニメーション制作に関する作業指示や、成果物などであることが分かった。
ファイルをアップロードした人物・組織の身元は特定できていないものの、Stimson Centerは北朝鮮の国営アニメーションスタジオ「SEKスタジオ」とみているという。ファイルの多くにアニメ制作会社によって書かれたとみられる中国語の編集指示や、その韓国語訳が含まれていたことから、アップロード元は制作会社とアニメーターの間で情報を仲介する役割を担っていたとも推測している。
ファイルの中には、日米のアニメプロジェクトに関するデータもあった。例えば、Amazon Primeビデオで配信されている「Invincible」(インビンシブル 〜無敵のヒーロー〜)シーズン3や、日本で7月から放送予定のアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」のデータなどが含まれていたという。他にも、中国映画のCG編集手順とみられる情報が記載されたファイル、馬の世話に関するロシア語の映像やPDFなどがあったとしている。
ただしファイルから特定できた企業が、作業の一部が北朝鮮に委託されていたことを示す証拠はなかったという。特に、米国のアニメ作品に関するファイルは、編集コメントが全て中国語だったことから「契約の締結は、大手プロデューサーよりも数段下流にあった可能性が高い」(Stimson Center)としている。
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