偽造マイナ問題、カードの目視確認→IC読み取りで対策 河野大臣「スマホ用IC読み取りアプリを検討」
河野太郎デジタル大臣は記者会見で、スマートフォンでマイナンバーカードのICチップを読み取り、本人確認ができるアプリの開発を検討していると述べた。目視ではなく、ICチップの読み取りによる本人確認を推進することで、偽造カードの利用を防止する。
河野太郎デジタル大臣は5月14日、マイナンバーカードを使用した本人確認の厳格化のため、ICチップの読み取りが可能なスマートフォンアプリの開発を検討していると明かした。目視ではなく、ICチップの読み取りによる本人確認を推進し、偽造カードの利用を防止する狙いがある。
同アプリは、スマートフォンでマイナンバーカードのICチップを読み取り、照合番号を入力することで、本人確認に必要な情報をアプリ上に表示できるというもの。デジタル庁での内製も検討しているといい、提供時期などは決定次第公表するとしている。
検討のきっかけとなったのは、携帯ショップで偽造マイナンバーカードを使い、第三者が不正に機種変更してキャッシュレス決済などを使用した事件。同ショップではマイナンバーカードのIC読み取り機を設置しておらず、カードの目視のみで本人確認をしていたため、偽造カードを判別できなかったという。
これに対し河野大臣は「現場のオペレーションがしっかりしていれば防げたものだ」とコメント。その上で「携帯ショップでは携帯でICチップの中身を確認できるものがあればより便利になるという話が出ている」とし、アプリ開発についてスピード感を持って検討すると話した。
マイナンバーカードのICチップ読み取りについては、地方公共団体情報システム(J-LIS)がPC向けのソフトウェアを無償配布しており、PCにカードリーダーを接続することで利用できる。河野大臣は「カードリーダーは5000円程度で購入できるので、積極的に利用してほしい」と呼び掛けている。
本人確認時のICチップ読み取りの義務化については未定で、総務省をはじめとする関係省庁と議論していくとしている。
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