ニュース
電気の力で塩味増強 「エレキソルトスプーン」発売 キリンの新事業
電気の力で減塩食品の塩味やうま味を増強するという食器型デバイス「エレキソルト スプーン」をキリンが発売へ。
キリンホールディングスは5月20日、電気の力で減塩食品の塩味やうま味を増強するという食器型デバイス「エレキソルト スプーン」を発表した。減塩食品の塩味を約1.5倍に強める独自の電流波形の技術を搭載した。
同社のヘルスサイエンス領域の新規事業。まず200台をオンラインストアで抽選販売し、6月から雑貨チェーン「ハンズ」の一部店舗でも数量限定で販売する。1万9800円。
食品を介して微弱な電流を舌周辺に流すスプーン型デバイス。持ち手部分の電源ボタンを押すと、スプーン先端から微弱な電流が食品に流れ、約0.5秒かけて塩味やうま味を増強。食品を介して約2秒間、微弱な電流が流れる。じっくり味わうことで塩味が強まるという。
食事の際、塩味の基となるナトリウムイオン(Na+)は口内で分散しており、舌で味として知覚されないものもあるが、電流によりナトリウムイオンを舌の方に引き寄せることで塩味が強くなった錯覚を起こす、と説明している。
電極のあるスプーン部を、バッテリー入りの持ち手(CR2 リチウム電池)に差し込んで使う。電流の強度はボタンで4段階に変えられ、強度を上げると電流量が増えて塩味を増強できるが、不自然さや刺激を感じる人もいるという。
サイズは約250(幅)×38(奥行き)×25(高さ)ミリ、重さは約60g(電池含まず)。バッテリーはリチウム電池(CR2)。
ペースメーカーなど医用電気機器を装着している人や未成年は利用できない場合がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
減塩食を“しょっぱく”感じる箸型デバイス、明大とキリンが開発 電気で味覚を操作
明治大学とキリンホールディングスは、減塩食品の味わいを増強させる箸型デバイスを開発した。減塩食を食べたときに感じる塩味が1.5倍程度に増強されることを世界で初めて確認したという。
“減塩食”作りを簡単にする「ソルとも」、シャープなど開発 容器で計量、スマホに記録
シャープは11日、食塩や醤油といった調味料の使用状況から1日あたりの塩分摂取量を算出するIoTサービス「ソルとも」を発表した。
味をデジタル化する「電気味覚」の可能性(前編) 「味をSNSへ投稿する」を実現するための研究
味をデジタル化を実現するために、世界中の研究室で研究が進んでおり、その基盤になるのが味のデジタル化において重要な要素である「電気味覚」という現象だ。一体どのような現象なのか。解説する。
食べずに「のどごし」を体感できる装置、電通大が開発 バーチャル環境で飲食を再現
電気通信大学の研究チームは、喉の皮膚を引っ張る方法で、食べ物を飲み込んだ感覚を再現する嚥下感提示装置を開発した。何も食べてないにもかかわらず、「のどごし」を提示できるという。



