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そろそろ「日本語入力」にもAIパワーを注入してみないか?小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

AIの活用が十分になされていないのではないかと思われる分野が、「日本語入力」だ。OS標準の入力変換エンジン以外にも、Google日本語入力やATOKといった選択肢もあるが、AIの華々しい進化の恩恵にあずかっているようには思えない。「AIが自然な言葉で受け答え」も結構だが、まずは同音異義語の正しい選択や誤変換はどうにかならないのか。

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 5月13日(現地時間)に米OpenAIが「GPT-4o」を発表したかと思えば、翌日のGoogle I/Oでは「Gemini 1.5 Pro」のアップデートと「Gemini 1.5 Flash」のリリースを発表するなど、AI業界がにわかに活気づいている。


OpenAIが発表したばかりの「GPT-4o」

 その他生成AIでも画像、音楽、動画といった分野で次々に画期的な機能が実装され、多くの人がその恩恵に預かろうという直前まで来ている。

 ただそれを横目に、AIの活用が十分になされていないのではないかと思われる分野が、「日本語入力」だ。OS標準の入力変換エンジン以外にも、Google日本語入力やATOKといった選択肢もあるが、AIの華々しい進化の恩恵にあずかっているようには思えない。「AIが自然な言葉で受け答え」も結構だが、まずは同音異義語の正しい選択や誤変換はどうにかならないのか。

 まだ組み込まれるのはこれからだと思いたいが、AIが組み込まれた日本語入力はどのようなものになるだろうか。今回はその期待も込めて、近い将来の日本語入力像を想像してみたい。


現在の「Google日本語入力」

文字入力にもっとAIパワーを

 日本語入力の効率が特に問題になるのは、論文や論考、研究レポート、あるいは小説や脚本といった長文を書くときであろう。これらは考えながら文章を練っていくので、誤った日本語変換の結果を修正するという余計な作業が入ってくると、その場で思い付いたなにかを取り逃してしまうことになりかねない。

 「効率が上がらない」とは、一般に修正に対する手作業が多くなることのように思われがちだが、問題の本質は、考える速度に対して文字化が追い付かないことである。キーボードをたたくスピードはトレーニングすれば済むだけの話だが、誤変換の箇所まで矢印キーで戻って変換し直すといった作業の発生は、人間の努力ではどうにもならない。

 われわれが日本語入力エンジンにサポートしてほしい機能にはいくつかある。順にあげていこう。

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