イーロン・マスク氏のxAI、メンフィスにAI向けギガファクトリー建設へ
イーロン・マスク氏のAI企業xAIが、“世界最大のスーパーコンピュータ”という「Gigafactory of Compute」の建設地としてテネシー州メンフィスを選んだと、メンフィスの商工会議所が発表した。xAIは5月、60億ドルを調達している。
米テネシー州メンフィスのGreater Memphis商工会議所は6月5日(現地時間)、イーロン・マスク氏のAI企業xAIがメンフィスに“世界最大のスーパーコンピュータ”である「Gigafactory of Compute」を建設すると発表した。
商工会議所のテッド・タウンゼント会長は記者会見で、このプロジェクトは同市への数十億ドル規模の資本投資になると語った。
タウンゼント氏は、この工場は「かつての製造施設に建設される」としか語らなかったが、協力した土地の所有者として米Phoenix Investorsを挙げており、同社が保有する米Electroluxの工場跡地になるとみられる。
このプロジェクトは、郡開発当局、テネシー川流域開発公社、その他の行政当局による承認を待っている。
米The Informationは5月、マスク氏が投資家に対し、xAIのAIチャットボット「Grok」のためのスーパーコンピュータを構築する計画を提示したと報じた。
xAIは5月26日、60億ドル(約9400億円)調達したと発表した。この資金を「xAIの最初の製品を市場に投入し、高度なインフラを構築し、将来の技術の研究開発を加速するために」使うと説明している。
プロジェクト発表の前日には、マスク氏が、Tesla向けの予定で確保したAIチップ数千個を、XおよびxAIに転用するようNVIDIAに命じたと報じられた。
xAIのテクニカルスタッフ、デヴィン・キム氏はXに「xAIはGigafactory of Computeを構築している! 将来のモデルをトレーニングするには、現在の最先端のモデルの100倍以上の計算量が必要となり、そのペースに追いつけるチームはごくわずかだ」とポストした。
本稿執筆現在、マスク氏はこの件についてはXにポストしていない。
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