検索
連載

生成AIでメモアプリが進化? 自分だけのチャットAIが作れる、Google「NotebookLM」を試してみた小寺信良のIT大作戦(2/3 ページ)

Gemini 1.5 Pro搭載、GoogleのAIノート「NotebookLM」が日本語を含む200以上の国や地域への提供を開始した。今回は実際に参照文献(ソース)を登録してNotebookLMの動作や活用方法などを検証しつつ、利用の際も注意点なども紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

NotebookLMにチャットで聞いてみる

 「FAQ」は、ソースの内容から自動でFAQを作成してくれる。そもそもFAQとは頻出する疑問に対する回答のはずだが、頻出していない話題に関しても書き出される。要するにソース全体をFAQという記述スタイルでまとめてくれる機能、ということのようだ。


FAQ形式でまとめてくれる「FAQ」

 「Study Guide」は、入力ソースを学習用テキストに見立てて、テスト問題を作成してくれる。その回答例も提示してくれる他、論述問題や用語集も作ってくれる。


学習用コンテンツを作ってくれる「Study Guide」

 これは学習者が使うというより、大学教員が小テストや単位修得試験問題を作る際のヒントとして使えそうだ。論述問題は、その解答例までは作ってくれないので、問題が妥当かどうかも含め、教員が精査する必要がある。


論述問題や用語集も作ってくれる

 「Table of contents」は、入力ソース全体を俯瞰して複数のテーマを設定し、それに対して箇条書きでまとめを作ってくれる機能のようだ。タイトルの後半にハングル文字が混じっているが、これは「分析データ」と書いてある。日本語と韓国語の区別で曖昧な部分があるようだ。


箇条書きでまとめてくれる「Table of contents」

 入力ソース全体のサマリーと構造が分かるので、ソースを読み込む上でのガイドになるだろう。

 「Timeline」は、ソース内で年代を明記して記述した部分をピックアップして、それを時系列でまとめてくれる。ソースの文章を書いたのは筆者自身だが、それぞれのトピックを書いている時には時系列を気にしているわけではないので、こうして歴史順にソートされると、また別の見方を発見することができる。


ソースから時系列で情報をまとめる「Timeline」

 また後半部分は「登場人物」として、企業や取材した人物のまとめも作ってくれる。もちろんこれらはあくまでもソース内から読み取れる情報に限られるので、用語集的な網羅性があるわけではない。


登場する企業や人物もまとめてくれる

 「Briefing Docs」は、入力ソース全体を俯瞰して、論述形式でまとめを作ってくれる。先頭に概要を示し、テーマを設定し、知見、展望の指摘を経て、結論を表示してくれる。膨大な資料をまとめるヒントという点では、役に立ちそうだ。筆者が目を通した限り、間違いではないが、そこから導かれる考察などがあるわけではないので、さすがにこれではレポート試験は合格しないだろう。


論述形式でソースをまとめてくれる「Briefing Docs」

 もちろん従来のAI同様、チャットで質問や指示をすることで、総括を得ることができる。例えば「クラウドベースの編集ワークフローにおける課題とは?」という問いに対しては「技術的な課題」「業界構造・慣習に起因する課題」「その他」の3つに分けてまとめてくれる。

 それぞれのまとめの根拠については、ソースのどの部分を参照したかが分かるようになっている。それらを見比べることで、まとめの妥当性を評価することが可能だ。


チャットの質問に対する回答は、根拠となるソース部分へのリンクが貼られている

 こうした質問に対する回答は、消えてしまわないよう「メモ」という形で保存できる。これはノートブックガイドで示された回答と同じところに保存されるという意味だ。ただしメモに保存すると、ソースへの参照リンクが切れてしまう。一応番号だけは残っているが、リンクしないのでは番号が付いている意味がない。このあたりは改善が必要であろう。


ノートブックガイドや質問に対する回答は、メモとして固定・保存できる

 また、回答から作られたメモは、ユーザーが編集することができない。もし回答に修正を加えたいのであれば、新たに空のメモを作り、その中に回答をコピー&ペーストすれば内容を修正できる他、純粋に自分用のメモとしても活用できる。

 メモページとチャットページは両立できないので、チャットによって得られた回答をまとめていくには、いったんメモに保存しておいて、そこからメモページ内でいじっていくという使い方になるだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る