KADOKAWAは7月3日、6月に起きたサイバー攻撃を巡り、クリエイターや社員の情報に加え、N高などを運営する角川ドワンゴ学園の情報も漏えいした可能性が高いと発表した。N中等部・N高等学校・S高等学校の在校生・卒業生・保護者の一部情報が漏えいした可能性が高いという。
KADOKAWAへのサイバー攻撃を巡っては6月27日、ランサムウェア集団・Black Suitが、犯行リストに社名を追加したと、複数の海外セキュリティ企業が報告。Black Suitが公開したとされる文書には、約1カ月前にKADOKAWAのネットワークにアクセスし、ドワンゴやニコニコを含むネットワークを暗号化したこと、その上で約1.5TBのデータをダウンロードし、KADOKAWAと身代金に関する交渉をしていることなどが書かれていたという。
ダウンロードしたデータには、従業員の個人情報や機密書類、ユーザーデータなどが含まれ、KADOKAWAと合意できなければ、7月1日にデータを公開するとしていた。その後2日未明から、ランサムウェア集団が追加で情報を漏えいさせたとする投稿や、ダークウェブから取得したと漏えい情報と思しきデータを拡散する投稿がネット上で相次いでいた。
事態を受けたドワンゴは2日、漏えい情報をSNS上で拡散する行為のうち、悪質なものには法的措置を取ると発表。さらに、情報漏えいに関する問い合わせ窓口に寄せられた相談について「Web上で拡散されている情報については、ドワンゴでの巡回監視のほか、連絡をもらった情報を基に、ドワンゴより各プラットフォームに削除申請を行う」(同社)とする方針を示した。
関連記事
- KADOKAWAの情報、さらに流出の可能性──ハッカーが追加で公開か 同社は信ぴょう性を調査中
KADOKAWAが、6月に受けたサイバー攻撃を巡り、ハッカー集団が同社グループの情報を追加で流出させたと主張していると発表した。現在、主張の信ぴょう性を確認中という。同社は「正確性の検証には相応の時間を要する見込み」としており、7月中に調査結果を公表する見通しを示している。 - KADOKAWA、クリエイターの個人情報漏えいを確認 取引先との契約書なども
KADOKAWAが、6月8日に受けたサイバー攻撃を巡り、情報の漏えいを確認したと発表した。 - ニコニコ「ダークウェブの情報をDL・拡散しないで」 ウイルス感染や違法の可能性
KADOKAWAグループが大規模なサイバー攻撃を受け、情報漏えいが起きている問題で、犯人グループがダークウェブに公開したとみられる関連情報を取得する問題点を、ニコニコ公式Xが指摘している。 - ニコニコ、漏えい情報の“悪質な拡散”に法的措置 「絶対にやめて」
ドワンゴが、同社やKADOKAWAへのサイバー攻撃によって漏えいしたとみられる情報をSNSなどで拡散する行為を巡り、悪質な例には弁護士と協力の上で法的措置を取る方針を示した。 - KADOKAWAがランサムウェアグループの「犯行リスト」に入った──複数の海外セキュリティ企業が報告
「KADOKAWAが、ランサムウェアグループ・Black Suitの犯行リストに入った」──日本時間の6月27日夜、ダークウェブのトラッキングサービスを提供する複数の海外セキュリティ企業が報告した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.