老舗バッグメーカーはなぜ“服”を作った? 「着るバッグ」をめぐるエースの挑戦:分かりにくいけれど面白いモノたち(6/6 ページ)
エースの「UNTRACK」は、「着るバッグ」をコンセプトにしたブランド。そのラインアップにはエースが企画/デザインも行うウェアが多数存在する。なぜ老舗バッグメーカーは、このような挑戦を始めたのか。
例えば、今回メインでレビューした「Essential Balcollar Coat」は、イングランドのバーバリーが'80年代に採用していたデザインをベースにしている。元々はスコットランドハイランド地方のバルマカーンで生まれたものらしい。そんな風に、ベーシックなデザインを基本にしながら、内装や素材を現代的なものにして、なおかつバッグ的な要素を入れ込む。その絶妙なバランス感覚が、このブランドのウェアの魅力だろう。
Essential Balcollar Coatの場合も、裾の後ろ側の割れている部分にボタンを付けるとか、襟の後ろの部分にステッチワークを入れて、襟を立てやすくするといった、バルカラー・コートとしての特徴をしっかりと再現している。
「バルカラー・コートは防風性の高さがポイントなんです。なので、ステッチを入れたり、襟ボタンを2つ付けて、首のサイズに合わせられるようにしています。襟回りは凝って作ってます」と生本さん。伝わりにくい細部も結構こだわってやってますと笑う。
印象としては、とても考えてよく作られているし、実際、私は購入を考えているが、まだ「着るバッグ」というコンセプトの可能性を残しているようにも思う。ただ、「バッグ・メーカーならでは」という部分がきちんと特徴になっているし、スマホやイヤフォンといった、できればポケットに入れておきたいものにきちんと対応しているところなど、少なくともコートとセットアップに関してはボディバッグやサコッシュの代りくらいには十分なりそうだ。内ポケットのパスポート入れあたりに、エコバッグを入れて、手ぶらで出掛けたい。
UNTRACK「Essential Skiing Padded Jacket」5万7200円。'80年代のスキーウェアを意識したデザインのダウンジャケット風ショート丈ブルゾン。これに四つの内ポケットなどの機能が内蔵されているというのが面白くて、かなり気に入っている。これなら女性が着ても似合いそうだ
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