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ガチャマシン開発者は「電源いらず」にこだわる? タカラトミーに聞いたカプセルトイ60年の歴史と矜持分かりにくいけれど面白いモノたち(5/5 ページ)

ガチャマシンは今でも電源いらず? その仕組みと歴史について、タカラトミーアーツがユージンだった頃からガチャマシンの開発に携わっている開発者に詳しい話が聞けた。

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「電源いらずがガチャの特長だということもありますが、実は機械式の方が特許が取りやすいという事情もあるんです。電子的なものや回路的なものは誰でも考えつくという理由で特許が下りないんです。例えばセンサーを使うと、センサー自体は特許が取れても、その活用法では特許は取りづらい」と福本さん。そうやって、ガチャマシンは特許技術の集大成のような形で進化してきたわけだ。


初期から変わらない、360度回すハンドルの感触もガチャの魅力の1つ。「ガチャ2 Ez」のハンドルを回す感触が楽しめるガチャ「THE!ガチャハンドル」は、大ヒット商品となった

 アメリカからやってきたガチャだが、欧米にもガチャマシン自体を輸出している。ただ、アメリカだとドルが紙幣なので、中々難しいのだという。25セント硬貨4枚で1ドルだが、今どき、1ドルのカプセルトイはほぼない。

 日本でもメインの価格帯は300〜400円となっている。3ドルとしても、コイン12枚が必要で、それはあまり現実的ではない。逆にアジアはコインが多いので、台湾などには大量にガチャマシンが並ぶ店舗も多いらしい。コインのサイズや材質を現地のものに合わせれば、輸出用が簡単に作れるのも、無電源、フル物理のマシンの強みだろう。


「ガチャ2 Ez」の筐体デザインをそのままバックパックにした、タカラトミーアーツ「しょいガチャ -Showy Gacha-」(9900円)。現代のバックパックとして普通にカッコいいデザインになっているのが、なんとも面白い

 それにしても「ガチャ2 Ez」は、発売から17年経っているのだけど、古さは全く感じられない。もっとも、途中で社名が変わったりもして、ロゴなどのシールは変わっているのだけど、デザインはそのままだ。しかも、ガチャのカプセルトイになったり、貯金箱になったり、さらにはバックパックにまでなっているけれど、どれも、つい欲しくなる程度にはカッコいい。

「でも、これが完成というわけではないですし、個人的にやりたいことはまだありますから。時代に合わせた進化は続けたいですね」と福本さん。

 実は、カプセルを開けやすくした経緯とか、新しい素材を使ったカプセルの開発など、マシンの中身であるカプセルについても、色々面白いお話しが聞けたのだが、それはまたの機会に書いてみたい。


金庫位置までも再現したガチャ2 Ez型の貯金箱「ガチャ貯金箱 ガチャ2 Ezモデル」は、現在、予約受付中。ガチャ日本上陸60周年記念企画製品だけあって、細部まで力の入った製品になっている。価格は9900円

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