マストドンのロチコCEO退任 「分散型ネットワークは個人によって所有されるべきではない」
Mastodonを立ち上げたオイゲン・ロチコCEOが退任し、商標や所有権を新たな非営利団体に移管する。「分散型ネットワークは個人によって所有されるべきではない」からとしている。
分散型ソーシャルネットワークのMastodonは1月13日、その商標や資産、所有権を新たな非営利団体に移管する計画を発表した。創設者で現CEOのオイゲン・ロチコ氏は退任し、「組織内で別の役割に移行するつもり」としている。
公式ブログには「簡単に言うと、Mastodonの主要エコシステムとプラットフォームコンポーネントの所有権を新しい非営利団体に移管することになる」とある。「Mastodonは1人の個人によって所有または管理されるべきではないという意図を表明するものだ」。
Mastodonは、2016年にロチコ氏が立ち上げた、分散型マイクロブログサービス。W3Cによって標準化されたプロトコル「ActivityPub」を採用しており、X(旧Twitter)のような中央集権的なサービスではなく、多数のインスタンス(サーバ)が独立して運営できるようになっている。Twitterがイーロン・マスク氏に買収された後の急激な改変を嫌うユーザーが多数流入した。
Mastodonの規模拡大につれ、「構造を進化させる必要があることは明らかだった」ため、昨年には米国に非営利団体設立し、移行を始めていた。向こう半年でMastodonの構造を変革し、欧州に設立する新たな非営利法人にすべてを譲渡する計画だ。
Mastodon.socialとmastodon.onlineは今後もホスティングを継続するとしており、ユーザーにとっての大きな変化はなさそうだ。
ロチコ氏は自身のMastodonアカウントで、「Mastodonは私の予想を超えて成長しました。私は常に自分の快適ゾーンから抜け出して挑戦しようとしてきましたが、時間が経つにつれてそれが犠牲になってきました。特に過去2年間は圧倒的で、私の精神的および身体的健康は低下しました」とし、今後は「より製品指向の新しい役割で、Mastodonに関して自分が情熱を注いでいるものに集中したいと思っています」と語った。
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