大阪・関西万博の日本館で展示する「火星の石」は“隕石” なぜ火星由来と分かった?
「日本館」で展示されると発表されて注目を集める「火星の石」。数万年前に地球に到達したと考えられている隕石ですが、なぜ火星から来たといえるのでしょう。
4月に開幕する「大阪・関西万博」の「日本館」で「火星の石」が展示されると1月14日に発表され、注目を集めています。火星の石は、約1000〜1300万年前に火星から飛来し、数万年前に地球に到達したと考えられている隕石ですが、なぜ火星から来たといえるのでしょう。
火星の石と呼ばれる隕石は、2000年に日本の南極地域観測隊が昭和基地から南に約350km離れた「やまと山脈」付近で発見したものです。ラグビーボールほどの大きさで、重さは12.7kg。水がないと生成されない粘土鉱物が含まれていて、これが火星に水がかつて存在していたことを示す試料ともいわれています。
でも、なぜ火星から来たと分かったのでしょうか? 火星の石を保有する国立極地研究所のブログでは「火星に着陸したNASAの火星探査機バイキングが測定した大気の成分と、隕石に含まれるガスの成分が一致したため」と紹介しています。
バイキング計画といえば、1970年代に米国NASAが実施した火星探査計画。1976年7月に「バイキング1号」、同年9月に「バイキング2号」が火星の周回軌道にのり、ランダー(着陸船)が着陸しています。バイキング1号は軌道上から大気測定を行い、バイキング2号のランダーにはガスクロマトグラフ質量分析計も搭載していました。
バイキング1号/2号の探査機は、運用終了までに計5万2663枚の火星表面などの画像を、そしてランダーは着陸地点の画像を計4500枚も地球に送信しました。後に「火星の人面石」などと呼ばれて有名になった火星の地表画像もバイキングの探査機が撮影したものです。
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