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通話でもメッセージでもない「テキスト通話アプリ」が若者にウケる理由 「ジフシー」が開いた“隙間”小寺信良のIT大作戦(2/3 ページ)

青少年とネットコミュニケーションについては、もう長いこと議論が行われ、それなりに調査研究も進んでいる。とはいえ、毎年新しい現象やサービスが誕生しており、毎度「なぜか」を考えることになる。今Z世代で人気とされているのが、リアルタイムトークアプリ「Jiffcy」だが、一体何が支持されているのだろうか。

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「テキスト通話」と「メッセージ」の2つのモード


メッセージは一般的なメッセージングツールと同様の機能

 特徴的なのは、「テキスト通話」のほうだ。上下2段のメッセージボックスが表れる。相手方が上、自分側が下だ。ここでは、相手側が入力しているテキストがリアルタイムで表示される。もう少し詳しく言うと、入力中の状態からすでに相手方に届いている。

 通常のメッセージングアプリに実装されているチャット機能は、テキスト入力欄にテキストを入力、漢字変換などを行ったのち、「送信」ボタンをタップした時点で相手に送信される。だがJiffcyの場合は、入力中の画面からすでに相手方に見られている。リアルタイム性をもう一段階奥に進めた格好だ。


お互い入力中の画面からすでに共有されている

 人がしゃべるのと同じで、文章として全体を言い終わらなくても相手にどんどん伝わっていくというのは、「テキスト表現の新しいスタイル」だといえる。

 デメリットとしては、言おうかどうしようか迷って、入力はしたが消した、みたいなプロセスも、全部丸見えである。正直そこはトラブルになりやすい要素であり、利用者がこの仕様を十分理解しているという前提が必要になる。

 入力できる文字数としては120字となっており、その範囲で一回右下の輪っかのアイコンをタップして、テキストを送る事になる。送られたテキストはその場では消えてしまうが、「メッセージ」のほうに記録として積み上げられていくという仕様だ。

 「テキスト通話」では、さっきなんて言ってたっけ、とさかのぼることができない。画面上部左の戻るボタンをタップすれば「メッセージ」に行って確認する事はできるが、そこから「テキスト通話」に戻る方法がない。「テキスト通話」に戻るには、もう一度トップ画面から相手を探して「テキスト通話」をやり直すことになる。こうした仕様は、お互いが今の会話に集中できるスリリングさをもたらす事になる。

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