トヨタグループの社内システム向け共通データベース基盤にOCI トヨタシステムズが採用
トヨタシステムズ(名古屋市)が、トヨタグループの社内システム向け共通データベース基盤にOracle Cloud Infrastructure(OCI)を採用した。
この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「トヨタシステムズが共通データベース基盤をOCIで構築」(2025年2月6日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
トヨタシステムズ(名古屋市)が、トヨタグループの社内システム向け共通データベース基盤にOracle Cloud Infrastructure(OCI)を採用した。2月5日、日本オラクルが発表した。
トヨタは「モビリティカンパニーへの変革」というビジョンを掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、情報と社会をつなぐ「情報の血流化」を推進している。トヨタシステムズは、この取り組みを成功に導くため、新規ビジネスのデジタル化と、トヨタ生産方式(TPS)を支える既存の基幹システムの両面を強化するIT戦略を進めている。
その一環として、基幹システムのデータベース環境を「Oracle Exadata Cloud@Customer」で最新化し、共通基盤化することでトヨタグループ各社へのサービス提供の効率化を目指す。
トヨタグループの人事、品質、調達など幅広い業務で利用される数百の社内システムが、オンプレミスの「Oracle Database」上で稼働している。一部システムは仮想化統合基盤で稼働しているものの、データベース運用はトヨタシステムズの各アプリケーション担当者が個別に行っていた。性能向上、セキュリティ強化、運用効率化、コスト削減のため、データベース基盤を統合して運用管理の一元化・共通化をすることが課題だった。
課題解決のために、自社データセンターにデータを保持しながら、マネージド・データベース・サービスとして従量課金で利用可能な「Oracle Exadata Cloud@Customer」を共通データベース基盤に選定した。
Oracle Exadata Cloud@Customerは、自社データセンター内に「Oracle Exadata」のハードウェアを設置し、機密データを自社データセンター内で保持したまま、データセンター内のアプリケーションサーバーとも低レイテンシで接続できる。自社データセンターにあってもマネージドサービスで利用でき、手動でのデータ管理タスクを軽減し、アプリケーションの安定性とセキュリティを向上できる。
トヨタシステムズは、日鉄ソリューションズと日本オラクルのコンサルティング部門の支援のもと、Oracle Exadata Cloud@Customerでの共通データベース基盤構築を2024年10月に完了、既存システムからのデータベース移行に着手している。
稼働後の定常的なパッチ適用やデータベースのバージョンアップには、「Oracle Real Application Testing」を活用し、テスト効率の向上を図っている。今後は、最新の「Oracle Database 23ai」にバージョンアップし、基幹システムのデータを集約し、AIでの活用も容易にしていく。
トヨタシステムズの加納尚取締役は、今回のデータベース基盤統合と共通化について「データ流通によるビジネスへの貢献はもちろん、コスト削減とセキュリティ強化が大きなテーマだった。Oracle Exadata Cloud@CustomerやOracle Real Application Testingにより、これまで多くの時間とリソースをかけていた性能の維持や定常的なバージョンアップのための管理工数の削減も期待できる」と述べている。
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