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動画生成AIは“仕事”で使えるのか アドビ「Firefly」を検証、得意なこと・苦手なことを深堀りする:小寺信良の「プロフェッショナル×DX」(3/4 ページ)
生成AIは多くのツールが存在するが、生成AIによって作られた静止画や動画を全面的に採用したクリエイティブは、まだそれほど多くない。Adobeが2月に発表した「Firefly」の動画生成機能だが、実際どれほど使えるのだろうか。深堀りしてみたい。
2点間指定の動画生成
静止画を指定する動画生成では、始点と終点を指定することで間をつなぐ動画を生成することができる。これは始点となる1枚から生成するよりも、生成結果がコントロールしやすい手法といえる。
例えば以下の2枚の写真は、Adobe MAXの会場に展示されていたワゴン車を右側と左側から撮影したものだ。これを指定して、間をつなぐ動画を生成させると次のようになる。
上記2枚の写真から生成された動画
途中フォルクスワーゲンのロゴは怪しくなるが、始点と終点の画像が指定されることで比較的絵の崩れが少ない生成が可能になることが分かる。
一方で、途中結果がどうなるか想像できない画像同士を接続させると、パーティクルのような変化を起こす。ここで使用した画像はAdobe Expressで提供されているものである。
想像できない中間の変化が起こる
途中の変化は、例えばワープするようにとか、時空がゆがむようになどとプロンプトで指定すれば、映画でよく見るような状態を作ることもできるが、AIを使うメリットとしては、人間が予測しなかった動きを作ってくれるところにある。ワープのような動きを作りたければ、プラグインを探せばいくらでも見つかるだろう。それはとりもなおさず、AIを使うならアンコントローラブルのほうが面白いという事でもある。
ただそれは再現性がほとんどないという点で、決まりパターンのエフェクトとしては使いづらい。
ワープするように、と指定した動画
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