ニュース
ハローワークに生成AI 厚労省、「利便性向上のツール」として実証実験
厚生労働省は2025年度中に、ハローワーク業務での生成AI導入に向けた実証実験を行う。求人レコメンドなどに活用し、全国10拠点で効果を検証。業務負荷の軽減とサービス向上を図る。
厚生労働省は4月22日、ハローワークにおける生成AI導入に向けた実証実験を、2025年度中に実施すると発表した。利用者からの問い合わせ対応や、データ登録などでの活用を見据える。
厚労省は2024年9月、ハローワークでの生成AI導入に向けたプロジェクトチームを設置すると発表。OpenAI Japanからアドバイザーを招いてこれまでに計8回の会合を開催し、実用化に向けた検討を進めてきた。
2025年度は全国10カ所のハローワークで、職員を対象とした実証実験を実施する。具体的には、求職者向けの求人レコメンド、求人者に対する求人条件緩和案の提示、求人票のチェックなどに生成AIを活用。これにより、職員の業務負荷低減とサービス品質の向上を目指す。
ハローワークの求人情報をPCやスマホから閲覧・検索できる「ハローワークインターネットサービス(HWIS)」にも、生成AIを試験的に導入する。年度内に生成AIを活用したチャットbotによる「コンシェルジュ機能」を導入し、求職活動に関する質問に回答する実験を始める。当初はβ版のため、規約に同意した利用者のみに提供する。
厚労省は生成AIの位置付けについて、「職員の全ての仕事を代替するわけではなく、あくまでハローワークサービスの利便性を高めるためのツール」と説明する。導入に際しては、技術的・法的・倫理的な観点からリスクを考慮し、検討を進めていく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「OpenAI Japan」爆誕 日本でも人材採用
米OpenAIは4月15日、東京都にアジア初の拠点「OpenAI Japan」を設立したと発表した。社長は元アマゾン ウェブ サービス ジャパン社長の長崎忠雄氏。
ハローワーク、生成AI導入を検討 マッチングの効率化狙う OpenAI Japanの協力も視野に
厚生労働省はハローワークの生成AI導入に向け、プロジェクトチームを設置すると発表した。
メルカリ、すき間バイトの求人審査を強化 「疑義があるものは掲載を保留」 AIによるリスク検知も
メルカリは21日、すき間バイトのマッチングサービス「メルカリ ハロ」について、求人内容の審査・監視体制を強化すると発表した。年内をめどにAIを用いたリスク検知のシステムも稼働させる。
応用情報技術者試験に「生成AIと著作権」出題 あなたは解ける? SNSでは「サービス問題」との声も
情報処理推進機構(IPA)が4月20日に実施した「応用情報技術者試験」午前の部で、生成AIと著作権に関する選択式の問題が出題された。
ライターがAIエディタに乗り換えたら“孤独な旅“が終わった 「Cursor」で文章を書く方法
「Cursor」などのAIコードエディタを採用するエンジニアが増えている。昨今はAIエージェントを使って、プログラムの内容をテキストで投げてコード生成させるというやり方が主流になっている。では「Cursor」を使って、プログラムではなく文章を書いたらどうなるのか。実際にやってみたところ、かなりうまくいくことがわかった。



