納車式は相変わらずドライだが……選択肢が増えた「日本で買えるEV」とテスラの立ち位置:走るガジェット「Tesla」に乗ってます(1/2 ページ)
Teslaの納車スタイルが、あまりにもあっさりとしてドライなことは本連載でも過去に触れました。友人がModel 3を購入したので、3月初旬、東京都江東区の有明ガーデンのデリバリーセンター有明での納車に付き添ってきました。基本的には、約3年半前の筆者のときと同様に、相変わらずあっさりとしたものでした。
「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
相変わらずドライなTeslaの納車スタイル
Teslaの納車スタイルが、あまりにもあっさりとしてドライなことは本連載でも過去に触れました。友人がModel 3を購入したので、3月初旬、東京都江東区の有明ガーデンのデリバリーセンター有明での納車に付き添ってきました。基本的には、約3年半前の筆者のときと同様に、相変わらずあっさりとしたものでした。
指定された時間に到着すると、納車待ちの人が数人いました。デリバリーセンターと言っても、カウンターが1つあるだけです。一般のディーラーのように個別のセールス担当者がいないので、手の空いた複数のスタッフが順番に受け付けてくれます。本人確認の後、下取り車のキーをスタッフに渡し、その後、Model 3について、タブレット端末で簡単な説明を受け、諸事項の同意ボタンをタップします。
そして、「手続きが完了したので、ご自身のスマートフォンアプリから車両にアクセスできます」と告げられます。その間、わずか5分弱。後は、納車カウンターと同じ階にある立体駐車場に駐めてある自分のクルマに移動します。もちろん、スタッフの付き添いはありません。キズや備品等、簡単なチェックを済ませ、問題がなければ、そのまま出発することができます。
友人がCHAdeMOのアダプターについて質問したのですが、スタッフは「CHAdeMOアダプターは生産中止です」と明言しました。驚きました。加えて、「中古品をオークション等で購入可能ですが、故障した場合、保証や修理等の対応はできかねます」と付け加えます。
スーパーチャージャーのネットワークが充実してきているとはいえ、九州の長崎方面、山陰、北海道東部などは、まだまだ不十分といった印象です。長旅に出る機会が多い人にとっては、いざというときの保険として、CHAdeMOアダプターを所持しておきたい向きもあるのではないでしょうか。
いわゆる納車の儀は一切ありません。筆者の場合、過去、金色リボンが巻かれたモエ・エ・シャンドン(仏車シトロエンのとき)をプレゼントされたり、リアのハッチゲートを開けたら花束とディーラー前で撮影した愛車の写真立てが(メルセデスやスマートクーペのとき)サプライズでセットしてあったりと、担当者が手を尽くしてくれたものです。
それはそれでうれしいのですが、どこかむず痒い感じもするので、ドライなTesla方式を否定するものではありません。SNSを見ていると、中国のTeslaストアでは、納車セレモニー的な写真を目にします。バルーンなどで装飾された愛車の前で記念撮影した投稿をしている人を見かけます。大仰な納車セレモニーを望むのは東アジア的な思考なのでしょうか。
今回、1つ驚いたのは、Tesla Japan自身が納車前の有料サービスとして、ボディーコーティングを実施している点です。3年半前を思い起こすと、当時そのようなサービスは存在せず、納車の2日後に近隣のKeePer LABOというコーティングショップに持ち込んで施工してもらいました。
前車の納車時、やはりディーラーで納車前コーティングを有料で実施してもらった記憶があるので、Tesla Japanとしても、日本でクルマを販売する以上、日本のユーザーが望むようなサービスを導入する必要があるのかもしれません。
もしかしたら、Tesla JapanもBYDのように各地にディーラーを配置して、将来、納車の儀を行うようになるかもしれません。いや、さすがにそれはないかな……。
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