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MicrosoftとCrowdStrike、脅威アクター名称リンクで協力 Googleも参加へ
MicrosoftとCrowdStrikeが脅威アクター名称のリンク(エイリアス相関)で提携した。複数名称による混乱を防ぎ、脅威レポートの明確化と対応優先度決定を支援する。80以上の脅威アクター名をマッピング済みで、GoogleのMandiantなども協力していく。
米Microsoftと米セキュリティベンダーのCrowdStrikeは6月2日(現地時間)、それぞれの脅威アクターの分類体系を整合させるための戦略的提携を発表した。
サイバーセキュリティ分野での脅威アクターとは、悪意ある行動や攻撃を仕掛ける主体(個人・集団・組織)を指す。同一アクターに複数の名称がつけられていることが多く、例えば「COZY BEAR」は「APT29」「UNC2452」「Midnight Blizzard」などとも呼ばれている。
両社の提携で、業界が単一の命名基準を強制することなく、脅威アクターのエイリアスをより適切に相関させることを目指す。
単に名称を一致させるだけでなく、脅威レポートでどの脅威アクターについて言及しているかを明確にすることで、対応の優先順位を決定しやすくする。
既に80以上の脅威アクターの名称を整合させた(初版の脅威アクターマッピングはこちらで公開されている)。
この分類マッピングはMicrosoftとCrowdStrikeが共同で制作したものだが、米GoogleのMandiantと米Palo Alto NetworksのUnit 42もこの取り組みに貢献するとMicrosoftは説明した。
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