Meta、不適切な広告を表示するヌード生成AIアプリ関連企業を提訴
Metaが、ヌード生成AIアプリ「CrushAI」の関連企業を香港で提訴した。Metaの広告審査を回避し、不適切な広告を配信しようとしたため。MetaはCBSNewsの報道を受け多数の広告を削除しており、他社と連携して違反アプリの情報を共有するなど対策を強化している。
米Metaは6月12日(現地時間)、同意なくAI生成ヌード画像を作成できるアプリ「CrushAI」の“背後にいる”香港のJoy Timelineを、香港で提訴したと発表した。Joy TimelineがMetaの広告審査プロセスを繰り返し回避し、Instagram、Facebook、Threadsなどで不適切な広告を配信しようとしたため。
「今回の法的措置は、われわれがこの不正行為をいかに深刻に受け止めているか、そしてコミュニティをこの不正行為から守るために全力を尽くすというわれわれの決意を改めて示すものだ」とMetaは公式ブログで述べた。
米CBSNewsは6日、Metaのプラットフォーム上に数百件のヌード生成AIアプリの宣伝広告が見つかったという同メディアの報告を受け、Metaがこれらの広告を多数削除したと報じた。
CBSNewsによると、これらの広告は、写真をアップロードしてヌード化できるアプリを宣伝していた。
Metaは、ヌード化アプリ問題に対処するため、GoogleやTwitchなども加盟する「Tech Coalition Lantern」プログラムを介して違反アプリやWebサイトのURLなどの情報を共有しており、既に3800以上のURLを共有したという。
また、広告自体にヌード画像が含まれていない場合でも、ヌード化アプリの広告を特定できるよう、新たな技術を開発したとしている。
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