米ドルビー、テレビの性能を引き上げる「Dolby Vision 2」発表 最初の製品はハイセンスから
米Dolby Laboratoriesは2日、テレビの画質を向上させる「Dolby Vision 2」を発表した。同日、中国Hisenseが同技術をプレミアムなテレビに導入すると明らかにした。
米Dolby Laboratories(以下、ドルビー)は9月2日、テレビの画質を向上させる「Dolby Vision 2」を発表した。同日、中国Hisenseが同技術をプレミアムなテレビに導入すると明らかにした。
Dolby Vision 2は、これまでのDolby Visionを基盤としながらイメージエンジンを再設計した。台湾MediaTekが専用シリコンチップ「Pentonic 800」を用意。テレビメーカーは、miniLEDなど新しい技術が実現する高い輝度やコントラスト、色再現性を画質に生かせる。
具体的には、拡張されたHDR(High Dynamic Range)や双方向トーンマッピングなどを用意。画面が暗いシーンで明瞭さを向上させる「Precision Black(プレシジョンブラック)」、テレビ設置場所の明るさを検出して画質を微調整する「Light Sense(ライトセンス)」など、コンテンツや周囲の環境まで意識した画質調整機能を備える。
映像クリエイター向けのツールも用意し、意図通りのコンテンツ制作を支援する。同日、フランスのエンターメインメント企業であるCANAL+は、Dolby Vision 2へのコミットを表明している。
Dolbyのエンターテインメント担当シニアバイスプレジデント、ジョン・クーリングさんは「Dolby Vision 2は、Dolby Visionの考え方を再定義し、現代のテレビの全機能を解き放ち、アーティストにこれまで以上に創造的な機会を提供する」としている。
なお、Dolby Vision 2には、プレミアムテレビ向けの「Dolby Vision 2 Max」と、スタンダードなテレビ向けの「Dolby Vision 2」があり、Hisenseの場合はRGB-MiniLED技術を採用したプレミアムテレビへの採用を予定している。
ハイセンスのTVプロダクトマーケティング担当GM、ソニー・ミンさんは「Dolby Vision 2は、Hisense RGB-MiniLED Technologyと共同で驚くべき画像を提供するだけでなく、これまでは不可能だった超広角色と超高輝度のテレビ実現の可能性を高める」とした。なお、同社はドイツのベルリンで9月5日(現地時間)に開幕する「IFA 2025」で次世代のRGB-MiniLED技術を披露する予定だ。
Dolby Visionは、もともと2007年に登場したLEDバックライト制御技術の名称だったが、14年にHDRなどを包含するテレビの画質向上技術に生まれ変わった。以来、10年以上にわたりテレビやスマートフォンなどのプレミアム製品を中心に採用されている。
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