ニュース
ノーベル物理学賞は”量子コンピュータの礎”に 超電導回路の量子効果実証で米国研究者3人が受賞
2025年のノーベル物理学賞に、「超電導回路での巨視的トンネル効果とエネルギー量子化」を発見したとして米国の研究者3人が選出された。今年は量子力学が誕生して100年。この研究は量子暗号や量子コンピュータ、量子センサーといった次世代技術の開発につながったという。
スウェーデン王立科学アカデミーは10月7日(現地時間)、今年のノーベル物理学賞に、「超電導回路での巨視的トンネル効果とエネルギー量子化」を発見したとして、カリフォルニア大学バークレー校のジョン・クラーク氏など米国の研究者3人を選出したと発表した。今年は量子力学が誕生して100年。この研究は量子暗号や量子コンピュータ、量子センサーといった次世代技術の開発につながったという。
受賞したのは、ジョン・クラーク氏、イェール大学およびカリフォルニア大学のミシェル・デボレ氏、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のジョン・マルティニス氏。量子効果は原子のような非常に小さな粒子で現れ、粒子の数が増えてサイズが大きくなると通常は無視できるようになる。受賞した研究では、手のひらに収まるような大きなシステムでも量子トンネル効果やエネルギーの量子化が現れることを実証した。
大きなシステムでも量子現象を制御できるようになったことで、量子暗号や量子コンピュータ、量子センサーなどの次世代技術が発展。ノーベル物理学賞委員会のオーレ・エリクソン委員長は「100年の歴史を持つ量子力学が、常に新たな驚きをもたらし続けていることを称えられるのは素晴らしいことです。量子力学はあらゆるデジタル技術の基盤であるため、非常に有益でもあります」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
スパコンより“100恒河沙”倍(10の54乗倍)高速 量子コンピュータ「九章4.0」を中国チームが発表
中国科学技術大学を中心とする研究チームは、これまでで最大規模となるフォトニック量子コンピュータ「九章4.0」(Jiuzhang4.0)を開発し、従来の古典スーパーコンピュータでは事実上不可能な計算を瞬時に実行できることを実証した研究報告を発表した。
最新の国産量子コンピュータを実機写真でチェック! 富士通と理研の本気は
富士通と理化学研究所が4月22日に発表した、256量子ビットの超伝導量子コンピュータ。商用に提供可能なものとしては量子ビット数で世界最大級をうたう。同日には記者向けにその実機や256量子ビットのチップもお披露目された。この記事では、写真を中心に256量子ビットマシンを紹介していく。
量子コンピュータ、ビジネスでどう使う? 56のユースケースをまとめた資料を、NEDOが無料公開
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、量子コンピュータがビジネスでどのように使われているのか紹介する資料を公開した。
量子コンピュータの「“自律”エラー訂正」が登場 “超電導冷却器”で量子ビットを高速冷却し自動リセット
スウェーデンのチャルマース工科大学や米国立標準技術研究所、米メリーランド大学などに所属する研究者らは、量子コンピュータの重要な課題である量子ビットのリセットを超電導回路から作られた自律的に動作する冷却装置で実行した研究報告を発表した。
