「ヨウテイ」を絶賛するマンガ家が「アサクリ」の新作開発中止を聞いて感じたこと 明暗を分けた“史実との距離感”:サダタローのゆるっとマンガ劇場(1/7 ページ)
PS5専用ゲーム「Ghost of Yotei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」をクリアしました。最後までとても楽しくプレイできました。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントより10月2日に発売されたPlay Station 5専用ゲーム「Ghost of Yotei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」(以下、ヨウテイ)をクリアしました。前回のファーストインプレッションをお届けした後も、最後までとても楽しくプレイできました。
「Ghost of Yotei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」©2025 Sony Interactive Entertainment LLC.Developed by Sucker Punch Productions.Ghost of Yōtei is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.
ヨウテイは、1603年の蝦夷地(北海道)を舞台にした、主人公・篤の復讐劇を中心とするオープンワールドアクションRPG。時代考証もかなり丁寧に行われている印象で、当時の北海道ってこんな感じだったんだろうなと思いながら愛馬と共に蝦夷地をひた走りました。
本作はアメリカのゲーム開発会社であるサッカーパンチプロダクションズ制作の、いわゆる洋ゲーなのですが、そうは思えない日本の描写に感心しました。とにかく蝦夷地を探索するのが楽しく、メインストーリーを進めるのを忘れるほどでした。
ところで日本を舞台にした洋ゲーというと「アサシン クリード シャドウズ」(以下、シャドウズ)が思い出されます。こちらは安土桃山時代を舞台に、実在した人物である弥助を含めた2人の主人公を中心に物語が展開します。しかし、弥助を「伝説の侍」としてアピールしたことをきっかけに炎上が続きました。詳しくは過去記事をご参照ください。
そんなアサクリ、なんと新作の開発中止が発表されました。新作の内容が南北戦争後のアメリカを舞台に元奴隷の黒人を主役としたものだったらしく、同じく黒人の弥助の件で炎上したことも影響したとみられています。
アサクリはシリーズを通して、史実との距離が近い作品だと思います。制作サイドが史実に近いといったようなアピールをしていましたし、他の作品でも当時の街並みを徹底的に再現したりもしていたからです。
しかしシャドウズは大炎上。史実に近いとうたいつつ、誰かにとって都合の良いフィクションを紛れ込ませようとしたのではないか──そんな風に多くの人に受け取られたように思います。制作サイドの言動の端々に特定の思想や主義主張が透けて見えたこともその根拠になっていました。
一方のヨウテイも発売前に制作者のSNSでの発言が原因で炎上したものの、ゲーム自体は前作同様に日本へのリスペクトさえ感じる内容です。ちなみに「史実」といった言葉はほとんど聞きません。フィクションなのだから当然かもしれませんが、2つの作品における歴史との距離感の違いが明暗を分けたような気がしています。
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