Microsoft、「AIスーパーファクトリー」始動 AI学習時間短縮へ
Microsoftは、米アトランタで「AIスーパーファクトリー」の運用を開始したと発表した。大規模データセター「Fairwater」の第2拠点で、ウィスコンシン拠点と「AI WAN」で直結する。NVIDIA GB200を採用し、AIモデル学習を数カ月から数週間に短縮することを目指す。
米Microsoftは11月12日(現地時間)、同社初の「AIスーパーファクトリー」を米国内で運用開始したと発表した。米ジョージア州アトランタに設置されたこの施設は、同社によるAIモデルの学習および推論用途に特化した超大規模データセンター施設「Fairwater」シリーズの第2拠点で、1つのデータセンターではなく、州をまたぐ複数施設を結び付けて1つの大規模AIトレーニング基盤を構築しているという。
このAIスーパーファクトリー構想では、ウィスコンシン州のFairwater拠点とアトランタを専用ネットワーク「AI WAN」で直結し、数千〜数十万台規模のGPU、数百万コアのCPU、エクサバイト級のストレージを連携させ、大規模AIモデルの学習を数カ月から数週間へと短縮することを目指している。
アトランタのFairwaterデータセンターには、ラック単位でのNVIDIA GB200/NVL72システムを採用し、2階建て構造による高密度実装、水をほぼ使わない高度な液冷、GPU間・拠点間の高速ネットワークといったアーキテクチャが盛り込まれている。
同社クラウド&AI担当上席副社長のスコット・ガスリー氏は「最も重要なのは単にGPUを増やすことではなく、それらを1つのシステムとして機能させるインフラ能力だ」と語った。
なお、アトランタ拠点の初期給水量は「一般家庭20軒分の年間使用量」程度であり、必要とされる場合以外は補充しない仕組みという。
Microsoftは今後、AIモデルのトレーニングから推論、顧客向けAIサービスまでを一貫支援する体制を強化していくという。なお、同社は既に12万マイル(約1.9万キロメートル)に及ぶ専用ファイバー網を整備し、これによって1年で全体の敷設長を25%以上拡大したとしている。
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